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平成11年第 4回定例会−12月13日-03号
平成11年第 4回定例会−12月13日-03号

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  1. 熊本市議会 1999-12-13
    平成11年第 4回定例会−12月13日-03号


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    最終取得日: 2022-11-22
    平成11年第 4回定例会−12月13日-03号平成11年第 4回定例会   平成十一年十二月十三日(月曜) ────────────────────────────────────────────────   議 事 日 程 第三号   平成十一年十二月十三日(月曜)午前十時開議   第 一 質 問 ────────────────────────────────────────────────                   午前十時二分 開議 ○江藤正行 議長  ただいまより本日の会議を開きます。      ───────────────── ○江藤正行 議長  日程第一「質問」を行います。順次発言を許します。田尻清輝議員。        〔二十六番 田尻清輝議員 登壇 拍手〕 ◆田尻清輝 議員  おはようございます。平成クラブの田尻清輝でございます。  平成十一年第四回定例会、特に西暦二〇〇〇年を迎える最後の一九九九年十二月議会で登壇の機会を与えていただきました先輩並びに同僚議員に厚く御礼申し上げます。  本年は私にとりましても、社会情勢におきましても大変激動の年だったと思います。今回三期目の選挙戦を戦い、四月に無事当選し議席をいただきました。公約した項目を一つ一つ検証し、どのようにしたが市民いわゆる有権者の皆様にこたえることができるか、与えられた任期を精いっぱい頑張っていくつもりでございます。  私にとりまして三期目当選後初の質問でございます。三角市長初め執行部の皆様の明快なる御答弁をお願いします。  それでは早速質問に入らせていただきますが、通告いたしておりました経済問題につきましては、先日他の議員よりも質問がございましたので、重複を避け交通問題についての質問を追加させていただき、あわせて、若干質問通告と順序を変えまして質問いたしますことをあらかじめお断り申し上げます。  では、質問に入らせていただきます。  本年三十九年ぶりに熊本県内で開かれたくまもと未来国体が無事終了しました。夏季大会、秋季大会とも大変盛会で、秋季大会開会式には全国から五万六千人が参加し、天皇、皇后両陛下をお迎えし、国旗・国歌法が制定されて初めて両陛下御臨席のもとで歌った国歌「君が代」に涙がとまらず感激したのを覚えています。
     三角市長におかれましては、皇室の方の送迎や競技場への御案内等、実行委員会会長として大任を果たされほっとされていることでしょう。心から御慰労申し上げます。本当に御苦労さまでございました。  国体大成功の裏には県、市の実行委員、選手、役員の方々の御努力も大変だったと思いますが、三角市長の御感想はいかがでしょうか。  また、夏季大会は熊本市が主会場で、アクアドームは熊本市で建設しましたが、大会の経済効果などわかればお知らせください。  また、その間お城まつり等の行事もあり、十一月一日には熊本市制百十周年、桂林市友好都市締結二十周年、福井市姉妹都市締結五周年等の記念式典も行われ、国の内外から多くのお客様方が来熊され、今後とも政治、経済、文化等の交流を深め、相互信頼により発展させていかなければならないと思います。  我が熊本市は米国サンアントニオ市、ドイツ・ハイデルベルク市とも友好都市の締結をなし、着実に交流を深めています。  例えば、中国・桂林市との二十年の交流の歩みを振り返り主な交流事業を申し上げますと、昭和五十九年には熊本市産業展を、昭和六十三年には農業技術展覧会、そして平成四年には生活文化展の開催、さらには市民友好の翼や高校生の友好訪問団の派遣、金絲猴の共同研究等々、文化、経済、教育といったあらゆる分野において両市両国の相互理解に努めてまいられました。  とりわけ本年は友好都市締結二十周年を記念し、両市民による合同文化美術展や、日本の文化を紹介する文化祭等も開催されましたし、今後の両市の具体的交流を深めるため共同声明もなされているところであります。  このような取り組みを通じて、二十年という歴史の中で両市民が得たものは大変大きなものがあったはずでありますし、今後もさらに両市民の交流を深めていかなければならないと考えるところであります。  ところで、私はボランティア団体である熊本龍峰ライオンズクラブに所属していますが、ことしの六月に日本に一番近い韓国釜山の南区ライオンズクラブと友好姉妹締結をし、私も出席する機会を得、その後相互訪問をし、今回三日間の日程で韓国を訪問する計画をいたしております。  私は、これまでの訪問を通して、やはり歴史的にも距離的にも最も近い韓国と一層の交流を深めていくべきだと思ってきたところであります。  生活習慣や言葉の違いはあっても、私たちにとってはまさに隣人であります。このような最も身近な韓国の人々ともっと交流の輪を広げていくためにも友好都市の締結をすべきではないかと思います。  私自身も一市民として、微力ながら友好を深めるために一生懸命頑張っていきたいと思いますが、友好都市締結のお考えはないか、執行部にお尋ねするものであります。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  私の二期目の政策の中で、最も重要な事業と考えておりましたくまもと未来国体も、議員各位あるいは多くの市民の皆さん方の大変なお力添えをいただきまして成功裏に終わることができました。  考えてみますと三十九年ぶりの国民体育大会でありますし、この時期に市政を担当させていただく機会を与えていただいた市民の皆さん方、そしてこの運命に感謝を申し上げたいというふうに存じます。  そしてまた田尻議員からは、この国体を終えての感想を述べよと、感想を述べる機会をおつくりいただきまして大変感謝を申し上げます。  少々長くなるかもしれませんけれども(笑声)、私の国体に対する思いと感謝の念を申し述べさせていただきたいというふうに存じます。  御案内のとおり、くまもと未来国体は、突然の大雨や思いがけない台風十八号の直撃といった災害に見舞われた中にもかかわりませず、大会関係者、そして裏方として大会を支えていただいたボランティアなど多くの市民の皆様方の御支援、御協力により、六十六万市民の心に残る大変すばらしい大会であったと認識いたしております。  しかも本年から、組み合わせ抽せんの変更にもかかわりませず天皇杯、皇后杯を獲得し、まさに実力でかち取った大会でありましたが、その陰には、何と申しましても、長期にわたり強化対策に取り組んでこられた競技団体の御努力が結実をしたものと心から敬意を表する次第であります。  一方、市内一円での花いっぱい運動や一斉清掃、さらには市内の小中学校の児童・生徒による学校観戦による応援など、子供からお年寄りまで幅広い市民の皆様の御協力や多くの団体、企業等の参加により、地方色豊かで、まさに市民総参加の国体運営であったと考えております。  私も開催期間中、全競技を拝見させていただきましたが、どの会場も満員の状態でありまして、地元の選手のみならず、地域コミュニティーセンターに宿泊した他県の選手団をも、お世話をいただいた方々が懸命に応援をしていただいておりました姿に触れまして非常に感激をいたしたところでございます。競技において勝ち負けは大切なことではありますものの、何と申しましても人と人との心のつながり、六十六万市民が一体となり一つの目的に向かって取り組むこと、このことがどんなにすばらしいものかということを実感せずにはおられませんでした。  さて、私がスポーツに関しまして常日ごろから思っておりますことは、スポーツ活動によって、人としてこの厳しい人生に打ちかっていく上での必要なすべてのこと、例えば忍耐、感動、礼儀、涙、協調、やる気などなど、多くのことを学ぶことができるのであります。  そのために私は、次代を担う青少年にスポーツをもっと奨励していくべきだと強く感じておりますが、その意味からいたしますと、今回の国体の開催は多くの青少年に夢と感動を与え、大きな影響を与えたはずであります。  津田議員の答弁の際にも申し上げましたが、スポーツをする多くの青少年の育成を図っていくためにも、やはりスポーツ振興基金なるものを創設していかなければならないというふうに強く思っているところであります。  さて、いろいろ申し上げましたが、今熊本国体の開催を改めて振り返ってみますと、新世紀を目前に控え、熊本市にとってまさに一九〇〇年代の最後の年にふさわしいビッグスポーツイベントであり、そして熊本市に輝かしい新たな歴史の一ページが刻まれたものだとしみじみ感じているところであります。  そしてまた、六十六万市民が心一つになり、このような全国規模の大会をなし遂げたことは熊本市民の財産であり、新たな世紀へ向けて熊本市が飛躍するための大きな弾みになったはずだと、自分なりに評価をいたしているところであります。  次に、経済波及効果でございますが、「くまもと未来国体」につきましては、県実行委員会が本年五月にまとめております報告によりますと、国体全体の総合効果は約二千九百億円、生産誘発倍率一・六二倍になると推計されております。  これをもとに本市の経済効果を推計しますと、概算では、ソフト面、ハード面を含めた総合効果額として約七百八十億円程度の経済波及効果となるのではないかというふうに思い、ここに御報告申し上げます。以上でございます。ありがとうございました。        〔赤星健一市長室長 登壇〕 ◎赤星健一 市長室長  韓国との友好都市締結について田尻清輝議員にお答えいたします。  御案内のとおり、本市におきましては、一九七九年に中国桂林市、一九八七年に米国サンアントニオ市、一九九二年にドイツのハイデルベルク市と友好姉妹都市の締結を行い、これまで教育、文化、経済、医療、環境などの幅広い分野で交流事業を展開し、相互理解、友好のきずなを深めてまいりました。  特に国際交流の主役は市民との観点から、市民レベルでの交流に力を注ぐとともに、民間団体、企業、教育機関等においても独自に研修生や視察団を相互に派遣されるなど活発な交流が行われております。  議員御提案の韓国との友好都市締結についてでございます。韓国と日本は一衣帯水の間柄にあり、古くから盛んな交流が行われており、特に九州は地理的にも近く、歴史的にも深いつながりがあります。  また、昨年韓国の金大中大統領が来日され、日韓共同宣言への署名が行われ、両国の歴史に新たな一ページが開かれたところであります。今後、両国間の人的、物的交流はさらに活発化し、より親密なパートナーシップの構築が期待されております。  このような中にあって、熊本県では一九八三年に韓国忠清南道と姉妹都市の提携が行われ、技術研修生の受け入れや、友好訪問団の派遣等々活発な交流事業を展開されており、議員から御紹介のありましたライオンズクラブなどの民間団体や、大学、高校においても相互に姉妹提携を結ばれ、視察団や研修生の派遣、受け入れを行うなど交流を深めておられます。  また、本市といたしましても、韓国行政機関や大学からの研修訪問団を受け入れ、意見交換を行い、相互理解、相互協力に努めてまいったところでございます。  今後の本市国際化への対応につきましては、議員各位の御意見をちょうだいしながら、これまで積み重ねてまいりましたさまざまな分野での交流を一層深化させ、市民主体の交流の支援、促進を図るとともに、地域の活性化や住民福祉の向上につなげることを目標に、共通の課題解決のため、より具体的で実効性のある交流へさらに拡大してまいりたいと考えているところでございます。  新たな友好都市締結につきましては、種々の状況を調査しながら検討させていただきたいと存じます。        〔二十六番 田尻清輝議員 登壇〕 ◆田尻清輝 議員  ありがとうございました。  くまもと未来国体の開催で多くの成果が上がったわけでありますが、ぜひとも二十一世紀の熊本市の都市づくりにつなげていただくよう三角市長の手腕に期待いたしております。  また、韓国との友好都市締結に関しましては、熊本県も姉妹都市締結が行われていることを考えますと、ぜひ実現していただきたいということを再度お願いし、次の質問に移らせていただきます。  次に、中期財政見通しについてお尋ねします。  県は十月末に中期財政見通しの改定版を発表いたしました。それによると、地方交付税等が予定どおり確保できたとしても、最悪の場合、毎年度三百億円以上の財源不足が見込まれるとして、状況が改善されなければ平成十三年度には赤字再建団体に転落する可能性もあると言われています。  地方公共団体の一般財源の標準財政規模の赤字額が五%に達すると赤字再建団体になると言われていますが、熊本県の場合、赤字を埋める貯金に相当する財政調整基金は、五年前の平成六年度は五十六億円だったのが現在は八億円に、退職手当等基金は百十三億円から二十二億円に、県有施設基金は四百四十九億円から二十五億円にというぐあいに激減し、三基金合わせても五十四億円であります。  このような県の状況を踏まえ、熊本市はどのような見通しをお持ちかお教え願います。        〔松村紀代一総務局長 登壇〕 ◎松村紀代一 総務局長  本市の財政状況についてお答えを申し上げます。  御案内のとおり、現在、国、地方を通じまして、その財政状況は極めて深刻な状況にあるわけでございます。  本市におきましても、長期に及ぶ景気低迷の中、基幹財源でございます市税が伸び悩み、一方、扶助費や公債費などの義務的経費が増大するなど、まことに厳しい状況が続いております。  このような中、各種財政指標の水準の低下が顕著になっておりますため、議会での御論議等を踏まえ、その改善に向け、平成九年度に中期財政計画を策定し公表いたしたところでございます。  その後、毎年そのローリングを行っているところでございますが、特に、この計画策定に当たりまして、私どもが留意をいたしました点は、単年度の収支の均衡と中長期的な財政指標の改善という二点でございました。  したがいまして、現在、本計画に基づき、歳入の獲得努力とともに、行政改革大綱に沿った事務経費の削減あるいは各種事業の見直しなど、限られた財源の効率的活用に努めているところでございます。  今後ともこのような努力を積み重ね、収支の均衡はもとより、財政健全化に向け懸命に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。        〔二十六番 田尻清輝議員 登壇〕 ◆田尻清輝 議員  ただいま総務局長から中期財政計画では収支の均衡は保てると聞き安心いたしております。  しかし、今後も行政需要はますます高まってまいります。どうか将来を十分見通した財政運営を行っていただきたいと思います。  さて、振り返ってみますと、私が初めて当選した平成三年度の予算規模は一千五百十五億円でございましたが、八年後の平成十一年度当初予算規模は、一般会計において二千百八十四億円であり、実に六百七十億円の増額となっております。  歳出の構成を比べてみますと、義務的経費は、平成三年度の五一・一%が平成十一年度では五五・九%と、四・八ポイント伸びておりますが、普通建設費では逆に、二七%から一八・七%へと伸び率が低下しています。金額にして四百二十七億円から四百七億円と、実に二十億円のマイナスであります。  私は、財政基盤の強化は最も重要であると認識いたしておりますが、それを強化していくためにも社会資本の整備は不可欠であり、それを推進していかなければまちの活力も失われていくと思います。  お隣の鹿児島県が薩摩藩といっていたころ、約百七十年前の西暦一八二七年には、藩の借金が五百万両、現在のお金で五千億円にも及び、金利だけでも五十万両(五百億円)だったのを、調所広郷という藩士が、藩の財政立て直しを命じられてさらに二百万両の借金をして、その借金で、甲突川にかかる毎年水害で流れていた木の橋をすべて石の橋につくりかえることによって毎年の支出を減らしたり、中国や沖縄との貿易で利潤をもたらし藩の財政を立て直したという話も聞いております。  また、米沢藩主の上杉鷹山は、二百年ほど前の出羽の国、今の山形県米沢市の藩主で、十七歳のとき秋月藩より養子として迎えられ、当時藩の財政は、収入は百三十億円に借金が四百億円という財政圧迫の上杉家の財政改革を断行し、いろんな産業を試みたが、何度も失敗しましたけれども、ようやく養蚕で成功し、絹織物を興しました。しかし藩の財政健全化政策は五十年かかったと言われており、経済状態がよくなったのは上杉鷹山が七十一歳で亡くなった一年後であったと、このように一朝一夕に財政再建をするのは難しいと思われますが、そのとき上杉鷹山は、「成せばなる 成さねばならぬ何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」という感慨深い言葉を残しておられます。  私も、その時の人の努力が将来の幸せにつながっていくものと歴史を振り返りながら改めて認識をいたしたところであります。  我が藩、いや熊本市はどうでしょうか。投資すべきところは自信を持って進め、道路、公園、また福祉施設の整備は続けてもらいたいと思いますが、今までどおりの四百億円の規模の投資的経費で景気が回復していくのでしょうか。  今世の中は不景気で、大学は出たけれど就職できない、高校を卒業見込みだがまだ就職先が決定しないという方々がたくさんおられ、国を挙げて景気対策に取り組まれております。  経済企画庁や政府は、月例経済報告の中で「景気回復」という表現ができず、緩やかな改善が続いていると苦心の表現をされ、六十兆円とも七十兆円とも言われる金融支援が湯水のごとく行われましたが、その効果もあらわれないままのようです。  本市においてもいまだ上昇に向かったという市中の声は聞かれず、特にサービス業や建設業などは仕事がないと嘆いておられる声が多く寄せられています。  何とか市においても、このような声にこたえるべく景気対策に積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、このことがひいては本市の財源の涵養にもつながるものと思います。  そこで、総務局長にお尋ねしますが、本市では景気対策にどのように取り組んでおられるのか、そのお考えをお聞かせください。        〔松村紀代一総務局長 登壇〕 ◎松村紀代一 総務局長  上杉鷹山に例えての御質問でございますが、景気対策についてお答えを申し上げます。  我が国の景気の状況は、議員の御指摘にもありましたように、厳しい雇用状況など、いまだ本格的回復の道のりには至っていないと認識をいたしております。  このような状況の中、本年度は、当初策定いたしました中期財政計画財政再建ペースは若干おくれることとなりますが、地域経済の厳しい状況を踏まえ十五カ月予算という考え方のもと、ハード、ソフト両面にわたり景気対策に特に重点を置いた当初予算を編成したところでございます。  具体的には、普通建設事業につきまして、二月補正予算における経済対策を加えた額で、対前年度一六・七%増と、大幅な伸びを確保するなど、景気状況に配慮し、可能な限りの財源配分を行ったところでございます。  また、ソフト面におきましても、商店街のにぎわい創出のための助成措置、雇用の安定と拡大キャンペーンなど、きめ細かな対応を行ったところでございます。  その後、国におきましては、雇用に重点を置いた第一次補正予算を決定し、さらに去る九日、経済新生対策を実行に移す、社会資本の整備等を柱といたします第二次補正予算を成立させるなど、景気対策に懸命に取り組んでいるところでございます。  本市といたしましても、これまでも国の資金を活用し雇用対策に取り組んでまいりましたが、今後、国の第二次補正予算の具体的内容を見きわめ、厳しい財政事情にはありますが、地域経済の浮揚に向け、関係施策の実施についてできる限りの対応を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。        〔二十六番 田尻清輝議員 登壇〕 ◆田尻清輝 議員  ありがとうございました。  民間ではリストラや倒産といった厳しい現実に直面しておられる方々がたくさんおられます。どうか市においても積極的な支援策を講じていただきたいと思います。  次に、このたびの台風十八号に関連して、災害時の対策についてお尋ねいたします。  夏の異常気象により農作物の被害も大きく、野菜等は異常高値になったり、その反動で豊作貧乏になったりしています。  九月十一日に夏季国体の開会式が盛大に挙行されました。当日は大変な大雨でしたが、幸いにドームのために支障はありませんでした。しかし、井芹川や坪井川では各所で浸水が起こり、私も開会式途中で連絡があり、消防団員として警戒に当たりましたところ、各所で水し、えんこした自動車をロープで牽引したりと救助活動に忙殺された次第です。  また、九月二十四日未明には、百年に一度しかないと言われた平成三年の十九号台風を上回るような大型台風十八号が熊本を直撃し、多大の被害をもたらしました。  このときは、朝の四時ごろから風が強まり、トタンやかわらが飛び散り、家の中から見ていた私はどうすることもできず、自然の猛威に対する自分の非力さを思い知らされました。  ハウス農家では、収穫間際のマスクメロンがビニールともども吹き飛び全壊し、ナスやキュウリ等収穫中の作物等多くの農作物に多大の被害を与えました。  また、各地で家屋の被害も多く、高台では家屋の屋根全体が吹き飛び、家財道具、衣類等すべて水浸しになったり、電話の不通、停電等により外部との連絡ができなくなったり、冷蔵庫の食品も使い物にならなくなるなどの被害も多く、たくさんの市民の方から助けを求められました。  このような中、市当局の担当部署においてはすぐに対応していただき、迅速にライフラインの修復に努められ、一方、被災ごみ等は山のように積み重ねられましたものの、数日のうちに片づけられましたことは、市の環境事業部並びに関係機関の御努力のたまものと感謝申し上げます。  また、私が心配いたしますことは、台風十八号によるごみ処理により扇田埋立地の寿命が一段と縮まったのではないかと思いますが、平成十四年までと言っていた残余期間はどのようになっていますか。  また、災害時のごみの量は平時とどのように変わったのかお尋ねします。  また、大規模の災害時には災害対策本部が設けられると思いますが、県や消防といった外部の機関との連携がどのようにとられるのかお尋ねします。  また、あわせて、台風十八号の被害農家や被災果樹園の復旧等の助成の内容等についてもお尋ねいたします。        〔澤田幸男環境保全局長 登壇〕 ◎澤田幸男 環境保全局長  台風十八号によりますごみ処理等につきまして田尻清輝議員にお答えいたします。  台風十八号によります災害ごみのうち、最終処分場であります扇田環境センターに持ち込まれましたものは、災害発生から三週間で通常時の五カ月分、約一万二千トンにもなり、その後も少量ですが持ち込まれているところでございます。  この災害ごみにより埋立地の寿命が縮まったのではないかという御心配でございますが、本市では、ごみ減量、リサイクル対策といたしまして、平成十年度にごみ出しルールの変更やごみ処理手数料の改定を行っております。その結果、埋め立て処分量も対策前に比べまして三〇%以上の減量効果があっておりましたので、予定しておりました平成十四年度末までの埋め立ては十分可能であると考えております。  また、最終処分場に持ち込まれました災害ごみの中で、風倒木につきましては、チップ化して紙の原材料などへのリサイクルを行い、埋め立て処分量を軽減してまいりたいと考えておるところでございます。        〔松村紀代一総務局長 登壇〕 ◎松村紀代一 総務局長  災害対策本部と外部機関との連携についてのお尋ねにお答え申し上げます。  さきの阪神・淡路大震災では、災害時における外部機関との連携が非常に重要であることが広く認識されたわけでございます。
     したがいまして、本市におきましてもこれを教訓といたしまして、全国に先駆け、情報の交換や復旧を迅速に行うため、県、自衛隊、消防、警察、日赤、ライフラインなど二十六の機関から成ります熊本市防災関係機関連絡協議会を発足させ、毎年、合同による大規模な総合防災訓練などを実施して連携を強めているところでございます。  また、外部機関との情報連絡体制でございますが、消防局とは専用ファクスやテレビ会議システムなどを活用するとともに、災害発生時には対策本部に無線を携帯した連絡員を常駐することとなっております。  さらに、県とは衛星を使用した防災無線や災害電話、NTTと九州電力とは専用電話を配備し、情報交換を行っているところでございます。  今後とも、訓練や研修を重ねながら、関係機関と連携強化を図り、災害に備えてまいりたいと考えております。        〔竹田克彦経済振興局長 登壇〕 ◎竹田克彦 経済振興局長  田尻議員にお答えをいたします。  台風十八号の被害農家や被災果樹園の復旧等の助成内容についてのお尋ねでございますが、今回の台風によりまして水稲、ナス、メロンなどの農作物やビニールハウス、ガラス温室などの農業用施設に大きな被害を受けております。  したがいまして、災害復旧に当たりましては、さきに西議員にもお答えいたしましたが、まず水稲、野菜には、真水によるかん水、倒れた作物の立ち上げ、病害虫発生防止の技術指導を市が農協と一体となって取り組んでおります。  また、被災果樹園でも病害虫の発生を未然に防止するため一斉防除の指導を行いますとともに、農薬等の助成措置を講じております。  このほかビニールハウスなどの農業用施設の復旧や、中島、天明地区の排水機場などの復旧事業につきましても今回の補正予算にお願いをいたしております。  なお、台風災害に伴う金融対策につきましても、市のつなぎ資金を初め県の制度を含め融資制度を創設しております。  一方、被災果樹農家への支援策の一環として、災害で出荷できなくなったナシ、ミカン、柿などを販売するため特別に朝市を開催いたしましたが、市民はもちろん、遠くは県外からのお客さんもおられ、農家の皆さんに「頑張ってください。」と声をかけられるなど、農家の皆さんからも、大変うれしかった、勇気づけられたといった場面が見られました。  いずれにいたしましても、災害を受けられました農漁業者の皆様方が一日も早く回復され、農業の安定を目指して取り組んでいただけるよう引き続き支援してまいりたいと考えております。        〔二十六番 田尻清輝議員 登壇〕 ◆田尻清輝 議員  ありがとうございました。  思いがけない台風十八号は、これまでの水害を想定した対策から、風雨に対する対策が必要なことの教訓だったと思います。  既に済んだこととはせず、ぜひ十分に検証し将来に生かしていただきたいと思います。  次に、今回政府からも呼びかけ、本市においても助役を本部長とする対策本部が設けられているコンピューター二〇〇〇年問題についてお尋ねします。  二〇〇〇年問題は、西暦二〇〇〇年になった瞬間、コンピューターが日付を一九〇〇年と誤読していろいろな支障が起こると言われ、その対策には国を挙げて問題回避に対応を進められていますが、世界のコンピューター数千万台、マイクロチップ約五百億個と言われ、全世界のことで対応ができない国もあるやに仄聞しております。  私がちょうど行政視察の途中、駅で買い求めた小説に「Y2Kを狙え」という題の本がございました。  コンピューターが誤作動を起こし、二〇〇〇年一月一日に日本中がパニック状態となり航空管制システム上の対応不備で、有視界飛行となり濃霧のため着陸順番に不手際を起こし、衝突炎上した飛行機がたくさん出たり、エレベーターがとまったり、交通信号も制御がきかず、自動車事故があちこちで発生するような内容であります。  また、コンピューター問題とは違いますが、これと似たような事故が十一月二十二日に起きています。  埼玉県狭山市の入間川河川敷に航空自衛隊のジェット練習機が墜落し、残念ながら操縦士二人が亡くなった事故ですが、この事故で東京電力の高圧送電線が切断され停電が起こり、鉄道がとまったり、十五カ所でエレベーターに人が閉じ込められて消防庁が救助に出動した。また、六百基以上の交通信号機が点灯しなくなって大量の警察官が動員された。また、水道の給水ポンプが作動しなくなったり、そして、銀行の現金自動預払機が一時停止し、また、東京証券取引所は国際先物オプションの取引を停止した等の新聞報道がありました。  私は小説を読みながら、この停電事故でこのような騒ぎになったのを見て心細くなり、本市においてコンピューター二〇〇〇年問題の対応は十分なされているのかお尋ねしたい。  また、市政だよりでも県・市とも危機管理計画を作成し、年末年始は県でも百名、市では千人の待機を行い、熊本市消防団も十二月三十一日から元旦の一時まで警戒に当たり危機に備えるよう指示が出されています。誤作動による影響を最小限に抑える努力をされていますが、その計画はどのような被害が想定されることをもとにつくられているのかお伺いします。  さらに、飲料水メーカーや食品メーカーは年末年始の買いだめに対し例年以上の増産を図り対応しているとのことですが、市ではどのようにされていますか。この三点について、本部長であります御厨助役にお尋ねいたします。        〔御厨一熊助役 登壇〕 ◎御厨一熊 助役  本年の八月に三角市長から、熊本市コンピューター西暦二〇〇〇年問題対策本部を設置せよという指示のもとに、私、本部長として下命を受けまして対応をいたしているわけでございます。そういう関係での御質問だと思います。  このコンピューター問題につきましては、金曜日の本会議での御質問の中で三角市長から基本的な考え方について、あるいは当面する課題とその対応については企画調整局長、経済振興局長からすべてお答え申し上げておりますので、私の方からは少し角度を変えて申し上げてみたいと思いますが、果たして先生の御質問の趣旨に沿うかどうか若干危惧いたしております。  要するに御指摘のとおり、このコンピューター二〇〇〇年問題(Y2K問題)は、コンピューターが二けたの数字で日付を制御いたしておりますが、来年の零時を期しまして二〇〇〇年という日付制御が果たして正確にできるのかどうか。もし正確にできないとするならば、あるいは一九〇〇年として読むならばコンピューターの計算上の中で故障が起きる、あるいはストップすると、こういう事態から問題が発生しているわけでございます。極めて問題の本質がハードで高度な技術で非常に小さなミクロの世界から問題が出ております。と同時に御承知のとおり、ただいま質問の中でも御指摘になりましたように、コンピューターは一台で計算するわけでなくて、すべてのネットワークの中で現在作動をしているわけでございます。  それは、例えば市役所の中のそれぞれのコンピューターがネットワークするというだけでなくて、各金融機関、あるいはいろんな組織の中でできますネットワークをしておりますし、それが地域全体、全国、さらには世界的にまさにグローバルにネットワークが張りめぐらされておりますので、一つのところが故障した場合に、理論的にはすべての連動したものに故障が連鎖していくという、ソフトな面では実に環境問題と同じようにグローバルな問題であると、それだけに予測が極めて困難でございます。  どの程度の被害が出るかというのが、私どもにもまさに予測ができません。予測ができないところにこの問題の本質があるわけでございます。しかし、理論的にはないとは言えないということがこの問題でございます。  同時に、それは私ども市の立場といたしましては、やはり市民の方々の衣食住、あるいは社会的な活動全般に及ぶ可能性があるわけでございます。  さらには、極端に申し上げますと、市民の生命、財産にかかわっていくような被害が出る可能性も万一あるということも考えられるわけでございまして、そういう意味では市民全体としてそれを防御していくという対応が必要であろうと、このように考えるわけでございます。  したがって、これはあくまでも万一の可能性の問題として私どもは万全の態勢を敷いていきたいと、このように思っております。  もちろん、例えば電力、NTT、ガス、医療機関、金融機関等々、市民生活のインフラ機関関係につきましてはそれぞれ十分の時間を置きながら、チェック機能が十分出されているやに私どもも聞いておりますし、私ども市といたしましても特に証明書の発行や機関業務、あるいは水道、消防、病院など市民生活に関係のあるシステムにつきましては夏以来チェックをいたしてきてはおるわけでございます。  十月三十日に新聞各社に寄せられた政府の広報で、そのようなチェック機関の十分な対応をしていただければ社会インフラ等において日常生活に深刻な影響を与えるようなサービスの停止など大きな混乱は生じないと考えられますというのが出ております。私どももそのように考えながら、しかし万一の場合、十分の態勢を敷いていくという気持ちで対応をいたしております。  先ほど申し上げましたように、局長クラスを中心に対策本部を八月に設置し、各主管課長から成る幹事会、さらにはその下にワーキンググループ各会議を設けまして対応をいたしておりますし、先ほど申し上げましたようなインフラ機関との密接な連絡をとりながら、この危機管理計画書をつくりまして、それぞれの部門における行動シートをつくって対応をさせていただいております。  また、これは議会の先生方にもすべて御配付申し上げていると思いますが、危機管理計画の運用マニュアルをつくりまして、例えば市民の生活に及ぼす影響が小さい場合をレベル一、非常に大きな影響が出る場合をレベル二としてこの危機対応に措置をしていきたいと考えておりますし、さらに災害対策と同じような膨大な、しかも長期にわたる被害が出た場合にはこの対策本部よりも防災対策に基づくような対応をしていきたいと、このように考えております。  特に市民の方々にその周知徹底、十分の御認識をいただくことが必要でございますので、先週から私ども熊本市からのお知らせといたしまして「コンピューター西暦二〇〇〇年問題について」ということで対策本部名をもちまして──これは先週中に自治会長さんまで大体配布ができたと思います。きょうくらいから各御家庭への配布を開始いたしているところでございますが、その中に、年末年始に向けた準備について、あるいはそれぞれの水道、消防、病院、証明書等のシステムの状況について、あるいは民間の金融、電力、交通、電話の民間重要部門の取り組みについて、その他例えば飲料水の問題につきましては備蓄について等々お知らせをいたしました。決してパニックにならないように、私どもとしましても今後正確な情報を即とりながら市民の方々に御連絡を申し上げながら対応に万全を期していきたいとこのように考えております。  なお、この問題は二〇〇〇年の零時を期してという問題でございますが、同時に一月四日の御用始め、それから最初の日曜、月曜、それから二月二十九日のうるう年、三月三十一日の最初の本年度の決算、さらには来年の十二月三十一日が、うるう年でございますので三百六十六日でございます。コンピューターは三百六十五日を通常一年と計算しますので、来年もあるいはあるかと思います。  そういうそれぞれの日にちに対応しながら私どもはこの問題に対応していきたい、このように考えております。        〔二十六番 田尻清輝議員 登壇〕 ◆田尻清輝 議員  大変本部長の熱の入った御答弁ありがとうございました。  コンピューター二〇〇〇年問題は、年末が近づくにつれ市民の関心が高まり、不安も強まってまいります。何事もないとは思いますが、十分な対策を講じていただくことをお願いし、次の質問に移ります。  次に、総合計画の基本構想についてお尋ねします。  現在の熊本市総合計画の基本構想は平成三年三月に議決を受け、基本計画として、西暦二〇〇〇年に人口七十万人、世帯数二十六万六千戸と指標を決定されました。  そして、既に第五次総合計画の素案も決まり、市民の意識調査や二十一世紀のふるさとへと題し、市民の声文集等も発表され、着々と進められております。夢は大切でありますが、実効性のある計画推進をしてもらいたいと思います。  そこで、現在の基本計画の重点プロジェクトの達成状況はどのようになっているのか、まずお尋ねいたします。  また、第五次計画の素案では、市民主体のまちづくりの推進を図るとされています。その基本コンセプトは、「よかひと、よかまち、よかくらし」「しあわせ実感 夢と活力ある生活都市」となっております。幸せを実感するというのは人それぞれあると思いますが、私は、校区や町内で成人式、敬老会、文化祭、また体育大会やスポーツ大会等が定期的に行われ、町内の人たちが顔見知りになり、道ですれ違っても気軽にあいさつできるようになったときではないかと思います。  このように、町内や校区で触れ合いの場ができると、よく近隣の町内の方々は「あたたちの町内はよかなあ、何でん行事があって。」と言われます。このような触れ合いができることが、一つの家族になったようで幸せが実感できるのではないかと思うわけです。  今回の基本構想でも幸せが実感できるまちづくりが一番に出ています。この具体化には三角市長がいつも言っておられる一つの家族をつくるコミュニティーの場が大切であり、その核となる地域コミュニティーセンターを計画的に配置すべきだと思います。  国体も終了し、国体用施設として本年は開催費用として十三億円が用意されました。来年からはこういう費用も不要となります。そこでこういう予算を回してコミュニティー施設建設十カ年計画などをつくってもらう方法はいかがでしょうか。総合計画の中に入れていただければと思います。  具体的には、一小学校区に一カ所のコミュニティーセンターが必要であります。また、土地がないところは、借地でも土地を購入してでも建設を進めるべきだと思いますが、担当の市民生活局ではどのようにお考えかお尋ねします。        〔齊藤聰企画調整局長 登壇〕 ◎齊藤聰 企画調整局長  重点プロジェクトの達成状況について、お答えをいたします。  現総合計画では四つの都市像を掲げ、それぞれに幾つかの重点プロジェクトを設けているところであります。  二百八十を超える構成事業のうち九割を超える事業に着手し、平成十年度までの実績で、事業費総額七千五百億円を投資し、そのうち、重点事業に四千二百億円余りを投じております。  具体的に申しますと、道路、住宅など社会資本の整備を初め、市民生活分野では、地域コミュニティーセンターの建設や、まちづくり委員会の設置など、また、それぞれの分野において地下水保全や食品工業団地の建設、さらには国体関連施設の整備等々、その着実な実施に努めてまいったところでございます。  加えて、阪神・淡路大震災を契機とした災害に強いまちづくりや、介護保険制度への準備など、重点プロジェクト以外の新たな課題にも対応してきたところでございます。  しかし、一方では、社会情勢や市民ニーズの変化に伴い、幾つか未着手の事業もあり、今後、これらの事業につきましては、新総合計画の中で見直しを図ってまいりたいと考えております。        〔村上智彦市民生活局長 登壇〕 ◎村上智彦 市民生活局長  田尻議員にお答えします。  議員御提案のとおりでございまして、二十一世紀の新しい地方時代を考えますと本市の全校区にわたる地域づくりの推進はまさに都市発展の土台でありまして、この地域づくりの拠点施設となります地域コミュニティーセンターの建設と、全校区にわたる均衡のとれた計画的配置の筋道を開いていくことは、市民生活局の重要課題としての認識を持って取り組んでいこうと考えております。  しかし、その隘路となりますのが、議員御案内の用地の問題でございまして、現在来年度に向けて用地の問題についての検討を進めているところでございます。  具体的には、これまで市として行ってきた市有地の建設に加えまして、借地、借家方式あるいは本市の教育関係部門を初め、他の部門が所有、管理する土地についてもそれぞれの部門と相談し知恵をかりながら、これまで以上に市有地の活用ができないかということで精査中であります。今後実行するための条件整備や市有地活用に伴う庁内のコンセンサスづくり、そしてまた財政上の問題も考慮に入れながら全校区にわたるコミュニティーセンターの建設と適正配置に向けた努力を続けていきたいと考えております。        〔二十六番 田尻清輝議員 登壇〕 ◆田尻清輝 議員  ありがとうございました。  計画を進めるにおいては、やはり事業の達成度や評価を確認していくべきですので、次の総合計画にはこのような点も踏まえて策定していただきたいと思います。  また、地域によって市民サービスの度合いが違っていることは公平性に欠けるものであります。どうか地域コミュニティーセンターを早期に建設していただくことをお願いいたします。  さて、私は老人福祉の問題に取り組んでいますが、元気老人対策についてかねてより質問してまいりました。  交通局上熊本電車基地の有効利用については、議会において幾度も提案してまいりましたが、いまだ具体化されずに今日まで来ております。  上熊本用地は、借入金の返済も多額に上り、交通局だけでは解決できない問題となっていますので、一般会計から助成を受けなければならないと思います。私は当初から申しておりますよう、上熊本電車基地をつくられるならそれと同時に人が集まるような施設をつくっていただきたいと主張してまいりました。  今まで、療育センター、児童のための科学館等々計画がありましたが、特に老人福祉プラザといいますか、いろんな元気老人対策について他の議員からの提案もあっていましたが、今、高齢者の間で大人気の社交ダンス等のできるような多目的ホールや老人福祉センターなども結構ではないでしょうか。  また、社会福祉四団体を一つの場所にし連携を密にして行政の手助けをすることなどもいいのではないかと思います。  そこで、上熊本車両基地問題は現在どのようになっているのかお尋ねいたします。  また、移転後の大江の跡地利用についてはどのような構想をお持ちかあわせてお尋ねします。  また、老人福祉センターについては、花園地域にもぜひ建設をしていただきますよう陳情を繰り返しています。老人保健福祉計画策定の中で検討するとの答弁をいただいていますが、どうなっているかお尋ねします。  また、介護保険導入を踏まえて、老人保健福祉計画を策定中とのことですが、医療、保健、福祉と各サービスの目標値を具体的にお示しください。  介護保険が導入され、今までの行政による措置から契約になると言われていますが、今までとどこがどう変わるのかお尋ねします。  要介護認定を受けた方々は各ランクづけをされるようですが、どのような振り分け方をするのか。また、そのランクによって介護を受けずに病院で治療はそのまま受けられるのか。  また、ある新聞では、介護保険についてまだ余り知らない人がいるとのことですが、私も保険料を支払わなければならない年齢のようですが、いつから幾ら支払うのでしょうか。  また、国保のように滞納者がたくさん出て財源不足ということは起こらないのか。  また、介護を受けることができる人は何人ぐらいかお尋ねします。  また、高齢者権利擁護事業が福祉公社ヒューマンライフで委託をされていますが、相談、財産保全、財産管理サービス等の状況、運用はどうなっているのかお尋ねします。        〔市原敏郎交通事業管理者 登壇〕 ◎市原敏郎 交通事業管理者  田尻議員にお答え申し上げます。  議員御案内のとおり、上熊本用地につきましては、老朽化した大江電車車両基地の移転新築、そして交通結節機能の強化、さらには大江用地の高度利活用の目的から用地を取得し、上熊本駅周辺の地理的あるいは機能的な特性を十分に考慮しながら施設を設置することを基本に検討してまいった経緯がございます。ただ、現在までその所期の目的を達成するに至っておりません。  この間の経過措置として、駐車場、駐輪場等の暫定利用に供してまいっておりますことも御案内のとおりでございます。私どもも、この基地問題の解決なくして交通局の将来の展望も描き得ないものとの認識に立ち最大限の努力を重ねております。  現在、所期の目的を達成するため、企画調整局、総務局と一緒になって整備内容やその手法などについて検討を重ねているところでございまして、さきの八月議会で公明党の亀井議員の御質問にお答えをいたしましたように、今年度中にはその方向性をお示しできるよう準備を進めております。  その検討経過を若干申し上げますならば、用地購入当初の目的どおり、大正十三年建設の電車整備工場の移転新築及び営業所機能をあわせ持った交通局舎の建設などを前提に検討を行っております。  当初の上熊本用地の活用計画からしますと、九州新幹線の計画ルートの影響などから車両の配車計画等の見直しが必要になっております。  いずれにいたしましても、まだ不確定な要素も多々ございますので、議員御提案の施設構想も念頭に置きつつ、早急に関係各局と協議を重ね、現大江基地のあり方とあわせ結論を出したいと考えております。議員各位の御支援をよろしくお願い申し上げます。        〔齊藤聰企画調整局長 登壇〕 ◎齊藤聰 企画調整局長  交通局大江用地移転後の利用についてのお尋ねでございますが、活用につきましては、いろいろなケースが考えられますので、私の方からお答えをさせていただきます。  大江用地は中心部に近く、また、電車、バスなどの交通の利便性もよいなど極めて利用価値の高い土地であります。  このようなことから、仮に大江基地が移転した場合の跡地利用としまして、これまで保健所や総合福祉会館など、保健福祉関連の施設を初め、各方面から、熟度の差異はございますが、いろいろな要望があっているのも事実でございます。  しかしながら、先ほど交通事業管理者が申しましたように、移転計画については現在検討中でございまして、跡地がどのような形状、もしくは面積になるのか、現在確定できない状況でございます。  ただ、冒頭申し上げましたように、この用地は本市が所有する土地の中でも極めて利用価値が高いことから、その利用に当たりましては、市民の皆様のニーズを的確にとらえることはもとより、今後、どのような施設が真に必要であるかなど、全庁的かつ総合的に検討していかなければならないと考えているところでございます。        〔工藤磐健康福祉局長 登壇〕
    ◎工藤磐 健康福祉局長  田尻清輝議員にお答えいたします。  まず花園地域に老人福祉センターをという御質問につきましては、老人保健福祉計画の策定と関連いたしますので、あわせてお答えいたします。  新老人保健福祉計画につきましては、先月策定委員会に骨子案を提出したところですが、来月末には素案を提示できるように作業を進めているところでございます。  市民の皆様の意見を反映させるために、高齢者問題に関する意識調査や「市民の意見を聴く会」を実施いたしまして、その結果も踏まえながら、また介護保険事業計画の審議結果を取り込む形で、計画内容詰めの作業を行っているところでございます。  なお、今回の計画につきましては、介護予防、自立生活支援という視点から、量的な目標値を設定するだけでなく質的な面での充実を図っていきたいと考えております。  お尋ねの老人福祉センターや高齢者の生きがい活動を支援する施設等につきましては、その計画策定の中で全市的なバランスを考慮しながら検討してまいりたいと考えております。  次に、介護保険問題についてお答えいたします。  まず、一点目は、この制度によって介護サービスがどう変わるのかについてであります。  措置制度では、行政がサービスの種類や提供先を決め、利用者はサービスの選択を自由に行えないものでしたが、介護保険制度では、現在の老人福祉施設と老人医療の制度を再編し、利用者の選択によって総合的にサービスを利用できる仕組みとなります。  二点目は要介護認定についてであります。  要介護認定は八十五項目の基準による調査を行い、その結果をコンピューターで判断したものと、主治医意見書、調査員特記事項を資料として、介護認定審査会で総合的に審査判定を行います。  要介護認定のランクは、要支援及び要介護一から五の六ランクとなっており、要支援の方は在宅サービスのみ、要介護一から五の方は在宅サービス、施設サービスのいずれも受けることができます。  なお、要介護認定の程度や有無にかかわらず治療が必要な方は、医療保険により病院での医療を受けられます。  三点目の保険料については、今般国における特別対策として、六十五歳以上の方の保険料は、平成十二年四月から半年間の保険料徴収猶予、その後一年間の保険料半額軽減が決定されました。  したがいまして、保険料の支払いは、六十五歳以上の方々は平成十二年十月から、四十歳から六十四歳までの方々は平成十二年四月からとなります。  なお、保険料は、介護保険事業計画策定委員会を通じて可能な限り早く試算を示していきたいと考えております。  四点目の保険料の滞納対策についてであります。  市町村は六十五歳以上の高齢者の保険料を徴収しますが、そのうち約八割が年金から天引きさせていただく特別徴収となり、残り約二割の方々の保険料については納付書により直接徴収することとなります。  また、四十歳から六十四歳までの方の保険料は医療保険料に上乗せされます。  お尋ねの滞納による財源不足については、六十五歳以上の高齢者の約二割に当たる方々の保険料について生じる可能性があります。したがいまして、その徴収体制の整備等を図って参る所存であります。  なお、要介護数の見込みについては、昨年の高齢者等実態調査の結果から約一万三千人と推計しております。  最後に、権利擁護事業についてであります。  さきの議会において藤岡議員にお答えいたしておりますように、九月から相談業務を、また十月から財産保全、財産管理サービスを開始してきたところでございます。  現在まで、電話相談を含め四十件の相談があり、うち十七件が弁護士や精神科医師による相談となっております。  その中で、脳梗塞で障害者となられた御主人を介護されている奥様から、介護に関する相談や身の回りの相談を親身に受けたことに対する市長への感謝の手紙をいただいております。  また、証書等を金融機関の貸し金庫で保管する財産保全サービス、生活資金の出し入れや公共料金の支払いを代行する財産管理サービスにつきましては、現在二件の契約となっております。この件に関しましても利用者及び家族から大変喜ばれております。  これらの事業につきましては今後とも広報に努め、障害をお持ちの方や御家族が安心して相談し利用できるものにしてまいりたいと考えております。        〔二十六番 田尻清輝議員 登壇〕 ◆田尻清輝 議員  ありがとうございました。  交通局の上熊本用地については、大江用地の活用とも関係することから大変長期において検討なされておりますが、何とか早期に決着をつけていただきたいと存じます。  また、福祉制度の充実はこれからの高齢化社会において欠くことのできないものであります。どうか実態を十分に把握され適切なる事業を実施していただきたいと存じます。  次に、環境問題についてお尋ねします。  今日、我々を取り巻く環境問題は広範で多岐にわたり、地球的規模での汚染が報告されるたびに健康が精神的にも肉体的にも侵されているようです。  今でも残るチェルノブイリの原子力発電所の放射能漏れ事故、近くは東海村における放射能漏れ事故は、日本じゅうを恐怖のどん底に落とし込み、今後の原子力発電にも暗い影を落としたのは否めません。  本市においても、有害汚染物質対策として、ダイオキシン類対策や環境ホルモン実態調査、また第二次環境総合計画の策定等を練っておられるが、どのような汚染状況にあるのか、また計画の中身はどのようなものかお教えください。  また現在、次期最終処分場を建設中であるが、その環境保全対策は幾重もの障壁により汚水が地下へ浸透しないよう多重の遮水構造を設けると答弁されていますが、このことは、汚水とともにいろんな有害物質が発生し浸透するおそれがあるということと考えます。  何年か前でございましたが、東京日の出村の最終処分場において遮水シートが破れダイオキシン類が浸透し、下流の飲料水に被害をもたらした事故が報道されましたが、本市の場合、ビニールシート一枚で大丈夫でしょうか。また調査はされているのでしょうか。次期最終処分場の進捗状況もあわせてお尋ねいたします。  また最近、瓶、缶のぽい捨てが多く、昨年、熊本市農協や青壮年部でデボジット方式の導入を陳情されていますが、東京都下の八丈島では多くの予算をかけて取り入れられ、最近では鹿児島大学の構内等でも紙コップを返却すれば十円が返ってくる仕組みの自動販売機が据えつけられたと聞きます。空缶、空瓶のぽい捨ては個人のモラルもありましょうが、有料にすることで環境美化の効果には絶大な効果があると考えます。  きれいなまちづくりのためデボジット方式を行政主導で取り入れ、ぽい捨て防止を図ったらいかがでしょうか。  熊本市は、昔から清冽な水と豊かな緑に恵まれた水と緑の都とうたわれ、生活者のよりどころとして栄えてまいりました。しかし、水の都、森の都とうたわれた本市も環境の変化で次第に損なわれています。  そんな中で、古くは昭和四十七年森の都都市宣言に関する決議、そして近くは、平成七年環境保全都市宣言を行い、地下水と緑を守ることを誓っています。熊本市総合計画にも水と緑の保全には多くの努力を払っていかれる計画のようです。  特に、井芹川生活排水対策推進計画もこのような中からできたものと考えますが、平成十七年を最終目標に平成十二年の中間目標値が設定されていますが、どのようになっていますか。また推進体制の整備、啓発活動についてもお尋ねします。  ところで、井芹川山王橋上流では、本年も井芹川を美しくする会が中心となって、校区自治会や消防団まちづくり推進事業や、龍峰ライオンズクラブと合同で地域の小中学生も参加し、井芹川の清掃とニシキゴイの放流をしましたが、まだ見た目にも川の水は汚染されているような感じです。  川というのは、上流、中流、下流と流域があり、下流域で幾ら努力しても上流がきれいな排水にならなければ川の浄化はできません。そのため本市では、小型合併浄化槽の設置や公共下水道の整備に力を入れておられますが、花園、池田、城西の整備普及率、進捗状況、また今後の計画についてもお聞かせください。  さらに、小型合併浄化槽の設置補助については、国の補助基準額が減額されているとのことです。この件についてお尋ねします。  また、下水道が布設された地域でも依然として浄化槽を利用して直結していない家庭が見受けられますが、直結していない家庭はどのくらいか、その指導などはどうなされているのか、その内容についてもお聞かせください。        〔澤田幸男環境保全局長 登壇〕 ◎澤田幸男 環境保全局長  田尻議員へ環境問題について六点お答えいたします。  まず、本市で行ったダイオキシン類の調査結果であります。  平成十年度は、本市独自で大気について城北小学校の屋上で二回調査しております。その結果は、平均で〇・一七ピコグラムであり、指針値であります〇・八ピコグラムを下回っておりました。  また、平成十年度環境庁が実施いたしましたダイオキシン類全国緊急一斉調査では、発生源の周辺として六地点、都市中心部として七地点の計十三地点で大気、水質等の七項目が調査されております。  その結果はすべて全国平均を下回っており、全国的にも低い濃度レベルでありました。大気につきましては平均〇・一二ピコグラムで、指針値の約八分の一でありました。同じく土壌についても平均〇・一三五ピコグラムで、暫定ガイドライン値の約一万分の一でございました。  地下水につきましては、現在、環境庁において環境基準を一ピコグラムで検討されておりますが、今回の結果は平均で〇・〇〇六ピコグラムと極めて低く、また全国平均値と比較いたしましても、その約十分の一でありました。  次に、環境ホルモンの調査結果についてお答えいたします。  環境ホルモンにつきましては、昨年度建設省が白川を、環境庁が坪井川と井芹川をそれぞれ調査しております。白川ではフタル酸ジ二エチルヘキシルなど二物質が、坪井川と井芹川ではノニルフェノールなど六物質が検出されております。  これらの物質につきましては評価の指針値となるものはございませんが、測定値はいずれも分析下限値に近い値でした。また、全国の結果と比較いたしましても本市は極めて低いレベルにあると言えます。  二点目の第二次環境総合計画の中身についてでございます。  本計画につきましては、現行計画の目標年次である二十一世紀初頭を目前に控えましたことから、また上位計画である市総合計画基本構想の策定が進んでいることなどから第二次計画として策定するものでございます。  本計画の基本的考え方といたしましては、まず、計画、実行、点検、見直しというサイクルで継続的な改善を図る環境マネジメントシステムの仕組みを導入したいと考えております。  そこで本計画では、市総合計画基本構想を受けまして 、本市の望ましい環境像を設定し、これを実現するための方針や目標を定め、環境課題に対する施策の体系化を行い、目標や各施策について数値目標を設定いたしまして、点検、評価につなげていく、このような仕組みにしたいと考えております。  また本計画は、市民、事業者、行政共通の指針として策定しなければならないと考えております。これを担保していくためには、市民、事業者が計画策定の初めの段階から参画することが大変重要であると認識いたしております。  そこで、市民、事業者から成る地球にやさしいまちづくり市民会議を設置し、市民提言として計画のたたき台を作成していただくとともに、計画策定後の推進母体としての役割も担っていただければと考えております。  いずれにいたしましても本計画は、市総合計画との整合性を図りながら、市議会並びに環境審議会を初め、市民の皆様の御意見を十分伺いながら策定してまいる所存でございますので、格別の御指導、御協力のほどをよろしくお願い申し上げます。  三点目に、次期最終処分場についてのお尋ねでございます。  まず環境保全対策でございます。  汚水を地下に浸透させないための遮水構造といたしましては、今回造成します工事により発生します土にセメントをまぜて、水を通さないように改良した厚さ五十センチの改良土の層を最下部に設けます。その上に、マットで保護された耐久性のある一・五ミリの合成ゴムシートを敷設し、さらに、厚さ五十センチメートルの砕石を敷き詰めまして、シートが破損しないような計画にいたしております。  シートの破損の有無につきましては、現最終処分場と同様に、地下水の金属等ダイオキシン類などを分析することにより定期的に調査を行ってまいりたいと考えております。  なお、現最終処分場におきます調査では、金属等は地下水の環境基準を下回り、ダイオキシン類につきましても、現在、環境庁で検討されております一ピコグラムという地下水の環境基準の二千分の一という濃度であり、地下水の汚染は確認されておりません。  次に、次期最終処分場の進捗状況についてでございます。  現在、ごみを貯留しますコンクリートダムと防災調整池の工事が進められておるところでございます。  埋立地の造成A、B工区及び浸出水調整槽につきましては契約締結の議案を今議会に提出いたしており、承認をいただき次第着工したいと考えております。来年度以降は、水処理施設や遮水工事などを順次発注していく予定でございます。  四点目に、デポジット方式の導入についてでございます。  商品に一定額の預かり金を上乗せして販売し、容器等が返却されたときそれを払い戻すデポジット制度は、空き缶等の散乱を防止し、資源の回収率を上げる非常に有効な手段であると考えております。  そのため、議員御案内のとおり、八丈島や大分県の姫島村に試験的に導入され、また先日の報道にもありましたが、熊本市においても熊本学園大学附属高校や真和高校に導入され、一定の効果が上がっているものでありますが、地域を限定してのデポジット制度の導入に当たっては、生産、流通、消費に関する責任を明らかにし、回収ルートの確立や他の地域からの持ち込み容器を識別するなど、克服すべき多くの問題が残っておりますので、もうしばらく検討させていただきたいと思います。  本年三月の県議会におきましても、全国的にそういうのをフォローするためにデポジット制度の導入検討を求める意見書が国に対して提出されたところであり、本市におきましても、全国都市清掃会議を通じまして同様の申し入れを行っているところでございます。  五点目の井芹川生活排水対策推進計画では、中間目標値といたしまして、山王橋におけるBODを平成十二年に一リットル当たり三ミリグラム以下と設定しております。  計画を策定いたしました平成七年度は六・一、八年度は四、九年度は二・八と年々下がっておりますが、十年度は三・二とまた上がったというところでございますが、水質は確かに改善傾向にありますので、平成十二年時の中間目標は達成できるものと考えております。  本市では水質汚濁源の八〇%以上を生活排水で占めていることから、下水道や小型合併浄化槽の施設整備とあわせて、生活排水に関する啓発活動の推進にも努力していきたいと思っております。  また議員御紹介にありましたように、井芹川においては、自発的な住民活動が活発に行われており、このような活動につきましては全面的な支援を行うほか、さまざまな機会を得て、生活排水対策学習会などを開催しているところでございます。  また七月には、上流である植木町との連絡会議を県を交えて行ったところでございます。今後も定期的に開催し、上流、下流、流域一体となって生活排水対策を推進していくことといたしております。  最後に、小型合併処理浄化槽についてでございます。  本市は、下水道の補完施設であります小型合併処理浄化槽につきまして、昭和六十三年度から補助金制度を設け、その普及に力を注いでいるところでございます。  小型合併処理浄化槽の補助につきましては、平成十年度末で一千二百九十二基となっております。国の補助基準額は確かに減額されておりますが、本市では今年度も前年度並の百七十基を予定しております。  お尋ねの花園、池田、城西校区につきましてはそのほとんどが下水道の認可区域になっておりますが、認可区域に入ってない井芹川上流の地区につきましては最優先に小型合併処理浄化槽の普及に取り組んでまいったところでございます。  今後とも、くみ取り便槽及び単独処理浄化槽の小型合併処理浄化槽への切りかえを一層促進するため、地元説明会の開催や戸別訪問の実施などに積極的に努めてまいる所存でございますので、よろしくお願い申し上げます。        〔田尻紘都市整備局長 登壇〕 ◎田尻紘 都市整備局長  私からは、環境問題に関連して、公共下水道事業に関する二点について田尻議員にお答えいたします。  まず、花園、池田、城西地区の公共下水道の整備状況と今後の計画についてでございます。  当地区につきましては、国の事業認可を得た計画に基づき整備中でありまして、その進捗状況は、下水道計画区域の面整備率で申し上げますと、平成十年度末におきましては、花園地区約八〇%、池田地区約六〇%、城西地区約七〇%となっております。  厳しい財政状況下ではございますが、議員の御指摘にもありましたように、河川の浄化、生活環境の向上のため公共下水道の整備は不可欠でありますので、今後とも財源確保に努め、整備を進めてまいりたいと考えております。  次に、公共下水道処理区域内における未接続世帯に対する指導についてであります。  平成十年度末において約七%一万三千三百世帯が未接続となっております。  接続されない理由としましては、家屋の老朽化や賃貸住宅のため、また資金的な問題などがあるようでございます。  これらの解消策としまして、下水道技術センターに未接続調査と接続指導の委託を行い、普及啓発に努めてきております。  なお、未接続調査が国の緊急雇用対策事業に採択されましたので、今議会に補正予算としてお願いしているところであり、今後さらにその解消に努めてまいりたいと思います。        〔二十六番 田尻清輝議員 登壇〕 ◆田尻清輝 議員  ありがとうございました。  環境問題は、熊本市民にとって大変関心の高いものであります。どんなに市民が協力したくとも制度が不十分、あるいは確立していなければ実現できないものであります。  どうか、市民が協力しやすい環境づくりをお願いして、次の質問に移らせていただきます。  次に、交通問題についてお尋ねします。
     まず新幹線についてお尋ねします。  十一月に行政視察で、岡山、京都、秋田、福島市とおのおの視察をする機会を得ました。どこの市でも新幹線が開通しており、西口、東口と出入り口があり、岡山市等は駅前広場から電車が走り、整然とした町並みができており、新幹線が走ればこんなにきれいなまちづくりができるのかと感心したものでございます。  九州新幹線は、本年九月、自民、自由両党が鹿児島ルート全線をフル規格でおおむね十年で開通される方針で合意したとの報道がありました。それに呼応して県新幹線促進期成会並びに県新幹線県民運動本部は、今までの「早くこいこい新幹線」のキャッチフレーズを新しく募集し、「いよいよ実現九州新幹線」と決まり、いやが上でも新幹線の開通が待たれることとなりました。  このような中で、実現の見通しが立った今、この新幹線の工事費、熊本県の負担分は一千八百億円に上ると言われています。関係市町村も応分の負担が必要と思いますが、本市の場合、どれぐらいの負担が必要となるでしょうか。  また、本市へのルートは議会にも説明が始まったようでありますが、本市関係の今後のスケジュール等についてあわせてお願いします。  JR鹿児島本線の連続立体高架は段山付近までの三・三キロメートルが建設省の採択基準に達したということで都市計画決定の準備を進め事業化の予定となっております。したがって、それ以北は現状のままということになりますが、これでは西部地区の発展は望めないものと考えます。私が住んでおります北西部地区、特に本妙寺、熊粉、池亀等の踏切の混雑は一日じゅうにわたっており、大型車両が通行すると離合もできない状況であります。  このような交通渋滞の緩和対策も含め、また北西部地区発展にも資するために、面的整備を含め、新幹線が進入して在来線と交わるところくらい、例えば工大駅付近までは高架にすべきだと考えますが、いかがでしょうか。  引き続き、都市計画道路野口清水線についてお尋ねします。  県の地域高規格道路の都市計画決定により、企画の方で言っておられる二環状八放射の外環状が今まで西部方面は野口清水線を使われておりましたが、今後はどうなるのでしょうか。  県の地域高規格道路が外環状ということになると思いますが、これは野口清水線の全線開通の見通しが立たないためと思います。  野口清水線については、検討委員会の結果が出て、島崎地区もやがて着工されるものと思われますが、どのようになっていますか。また、その以北はどうなるのかお尋ねします。  仄聞するところによりますと、島崎までで、花園、池田地区への開通は打ち切りになる、事業認可の申請等も出されておらず、難しいのではないかとうわさも立っていますが、正直なところどうなのでしょうか。  以上、新幹線関係と都市計画道路野口清水線について都市整備局長にお尋ねします。        〔田尻紘都市整備局長 登壇〕 ◎田尻紘 都市整備局長  新幹線建設に伴う本市の負担額、今後の事業計画、それから鹿児島本線の連続立体化事業、都市計画道路野口清水線の取り組み状況というお尋ねでございます。お答えを申し上げます。  まず、九州新幹線鹿児島ルート、船小屋−新八代間の総事業費は約四千八百億円程度と推定されておりますが、このうち第一次認可額として三千七百二十七億円が公表されております。  新幹線建設費用に係る負担につきましては全国新幹線鉄道整備法で定められており、JRの負担分を除き、国と県で二対一の割合で負担することとなっております。また、県は利益を受けるものに対し負担を求めることができることから、熊本県と熊本市において負担割合と区域について協定を結んでおり、県と市の負担割合については九対一としているところであります。  これをもとに現在の認可額で本市の負担額を試算いたしますと、概算ではありますが約三十四億円と見込んでおります。  ただし、この負担額につきましては国の交付税措置がなされるため、軽減されるものと考えております。  今後のスケジュールにつきましては、先日の西議員の御質問にもお答えいたしましたとおり、熊本市分につきましては、まず議会に対する説明を行い、来年の一月から三月にかけて中心線測量等を実施するための地元説明会を開催し、平成十二年度には中心線測量等を実施、その後構造物の概略設計や設計協議を行う予定と聞いております。  本格的な用地買収につきましては、その後構造物を設計し、用地幅くい等を設置した後となるため、平成十三年度以降になる見通しであります。  次に、連続立体交差事業についてでありますが、事業主体であります熊本県において、着工準備区間として採択をされました鹿児島本線三・三キロに七百メートルを加えた四キロメートルを調査区間として検討され、国と協議がなされております。  議員御心配のとおり、四キロメートル区間での事業が実施されたとしましても、本妙寺踏切、熊粉踏切、池亀踏切等は依然として残り、朝夕の渋滞も解消されません。  したがいまして、市といたしましても何らかの交通対策が必要との認識のもと、今後関係機関と協議してまいりたいと思います。今後とも御理解、御支援のほどよろしくお願い申し上げます。  次に、都市計画道路野口清水線についてお答えをいたします。  野口清水線の整備につきましては、田尻議員を初め地元の議員の方々、並びに議会の皆様方には大変御心配をおかけいたしております。  御質問の野口清水線の位置づけでありますが、平成八年二月熊本都市圏交通計画検討委員会で熊本西環状道路が外環状道路西側を形成する新たな道路として提案されました。それまで二環状八放射道路の外環状を形成しておりました野口清水線は、生活幹線道路として位置づけられ、本市西側における南北の地域間交流を支えるとともに、西部地域の物流、地域経済を支える地域幹線道路として重要な役割を担う道路となりました。  また、平成九年に設置いたしまして、本年四月に市長へ答申をいただきました野口清水線検討委員会の答申でも、野口清水線は地区のサービス道路としての役割が大きく、より地域に密着した道路として必要であるとの意見をいただいております。  したがいまして、今後も本市の重要な路線と位置づけまして、整備推進を図りたいと考えております。  本路線島崎地区の進捗状況でございますが、野口清水線検討委員会の答申を受けまして城西校区全体説明会、沿線地区の島崎四町内及び島崎九町内の住民の方々へ、今後の事業の進め方などについての説明会を開催したところであります。  また、平成十一年十一月現在、用地取得率は約七一%でありまして、現在、かなりの期間を要する墓地等の交渉を鋭意進めているところであります。今後は残る用地のさらなる取得を進めますとともに、平成十二年度には橋梁等の道路構造物設計も予定しておりまして、用地買収の完了した箇所で地域の方々の利便性が図れるところから順次工事に着手し、島崎地区の早期完成に努めてまいりたいと考えております。  なお、島崎地区以北につきましては、現事業を進めております島崎地区の見通しが立った時点で、事業に向けて国や県との協議を進めてまいりたいと考えます。  最後に、御質問の現在本市が事業認可を受け事業中の都市計画道路についてでありますが、路線は十路線でございまして、その残事業費はおおむね二百四十億円と試算しております。        〔二十六番 田尻清輝議員 登壇〕 ◆田尻清輝 議員  ありがとうございました。  九州新幹線、JR連続立体高架、及び野口清水線については地元としても大変関心の高い事業であります。  どうか地元住民に十分なる説明をいただき、住民の声をお聞きいただいて事業を進めていただきますようお願い申し上げまして次の質問に入らせていただきます。  教育問題についてお尋ねします。  十二月二十九日熊本市立花園小学校二年生の児童誘拐事件がありましたが、無事解放されほっと胸をなでおろしたのですが、報道管制が解かれた午後二時半ごろから長い間井芹公民館前は報道人でごった返し、テレビカメラがひしめき、ヘリコプターも数機空を舞うなど大変な騒ぎでありました。学校関係者、PTAなども大変心配されたことですが、その対策は教育委員会も御苦労されたこととお察しいたします。  事件後はPTAなども登下校の指導もなされていましたが、次第に落ち着きを取り戻したようです。このような中、教育目標として「学校、家庭、地域社会におけるさまざまな教育活動を通して子供たちの生きる力を育成する。」とありますが、具体的にどのような教育をされるのかお尋ねしたいと存じます。  また、新学習指導要領が二〇〇二年から実施され、完全学校週五日制の導入がなされます。それに備え総合的な学習の時間を推進されるとのことですが、内容はどんなものかお尋ねします。  また次に、市営住宅の建てかえについて、特に市営荒尾団地の建てかえ計画について建設局長にお尋ねします。        〔徳田勝比古教育長職務代理者 登壇〕 ◎徳田勝比古 教育長職務代理者  田尻議員にお答えします前に、ただいまお述べになりました先日の誘拐事件につきましては、議員の皆様を初め、市民の方々に大変御心配をおかけいたしました。おかげさまで子供が無事に保護され、安堵いたしたところでございます。  教育委員会といたしましては、事件後直ちに各学校に対し、児童・生徒の登下校時の安全確保について文書で指導し、また、十二月二日、校長・園長会におきまして熊本北警察署よりお越しをいただきまして、誘拐等についての防止策について、緊急にお話をしていただいたところでございます。また、間もなく、冬季休業に入るわけでございますが、今後もさらに、児童・生徒の安全確保のため、学校及び家庭に向けて指導の徹底を図っていく所存でございます。  それではお答えを申し上げます。  まず第一点目は、教育目標に掲げている生きる力の育成について、その具体的内容をということでございますが、青少年を取り巻く現状につきましては御承知のとおりでございます。また激しく変革する社会の動きの中で考えますと、次の世代を担う子供たちにとって、これまでの知識を教えるという教育ではなく、みずから考え主体的に問題を解決していく能力の養成、いわゆる生きる力を養っていくことが重要であるというふうに考えております。  そのようなことで、この実現につきましてはさまざまな角度から取り組みが必要であるというふうに思っておりますが、中でも教育委員会につきましては、子供たちのナイストライ事業、本年度初めてやらせていただいたわけでございますが、さまざまな体験活動を、また世代を超えた多くの人たちとの触れ合いの機会をふやすなど重視してまいりたいと思います。  さらに、幼児期からの家庭の教育の充実、そしてまたいよいよ国際化が進んでまいるわけでございますが、日本人としての感性をはぐくむ、また郷土を愛する心を育てる郷土教育などを重視してまいったところでございます。これらの新たな取り組みには学校教育だけではなかなか難しいところもございます。家庭、地域社会を含めてそれぞれの役割を発揮するとともに、その連携が特に重要になってまいります。  また「教育は人なり」と言われますように、何よりも教師の資質の向上が必要でございます。教師みずからの研修の充実に意を用いてまいりたいと考えております。  次に、総合的な時間についてでございますが、この総合的な学習の時間につきましては、従来の教科等の学習とは異なりまして国から各学年の学習目標、あるいは内容についての基準は示されておりません。学習活動につきましても、国際理解、あるいは環境等といった例示はありますものの、子供たちの興味、関心やあるいは地域の特性、特色に応じた学習活動を行うというようにされておるわけでございまして、内容的には各学校にゆだねられております。  また、評価につきましても、学ぶ過程を大切にするという観点からペーパーテスト等は行わず、活動、作品、あるいは発表における子供のよい点、学習意欲等を踏まえ、適切に評価するとされております。  実際の授業時間でございますが、小学校の三年生以上で週当たり三時間程度、中学校においては二ないし四時間程度でごさいまして、多くの時間数がこの学習に割り当てられることになります。  このように、総合的な学習は全く新しく設けられた学習でございまして、現在進められております教育改革の重要な柱となるものでございます。したがいまして、総合的な学習を行うに当たりましては、各学校における創意工夫を生かした取り組みが必要でございますし、一人一人の教師の能力、視野の広さ、あるいは熱意などが非常に重要になってまいります。教育委員会といたしましても各学校における研究体制をさらに確立させ、教師の指導力の向上に向けて積極的に学校を支援してまいりたいと存じます。        〔松下尚行建設局長 登壇〕 ◎松下尚行 建設局長  私からは市営住宅の建てかえについてお答えいたします。  特に荒尾団地につきましては、御心配をおかけいたしまして申しわけなく思っております。  このような老朽化した市営住宅の建てかえにつきましては、平成五年度に策定いたしました市営住宅再生マスタープランに基づきまして、老朽度や都市基盤整備の状況などを考慮しながら計画的に進めているところでございます。  なお、この市営住宅再生マスタープランは、市営住宅及び周辺環境の向上など当該地域の活性化に寄与することをテーマとし、安全で快適な団地、市民福祉と連携した生き生きと暮らすことのできる団地をつくることを目的として計画したプランでございます。  議員お尋ねの荒尾団地につきましては、建設から相当期間を経過し、老朽化が進んでおります上に、既に復旧はおおむね完了しましたというものの、さきの台風十八号による大きな被害をこうむったところでございます。このような状況を踏まえまして、来年度は団地の建てかえに向けて現況基礎調査及び基本計画を策定する予定でございまして、この計画と調査をもとに平成十三年度には建てかえ事業に着手できればと考えております。        〔二十六番 田尻清輝議員 登壇〕 ◆田尻清輝 議員  ありがとうございました。これからの教育のあり方は大変難しいものがあります。そのために家庭はもちろん、学校と地域が一体となって取り組まなければならない、それが私たちの大きな責務であります。どうか教育委員会の取り組みに大いに期待をいたしております。  また、荒尾団地の建てかえにつきましては、十三年度に建てかえに着工するということで安心いたしました。  最後に、本妙寺裏山の展望所への方向図標の設置を要望させていただきます。  私の住む花園には、熊本市民の誇りとする加藤清正公を奉る本妙寺がございます。毎日急勾配の石段を上り多くの参拝者が訪れておりますし、清正公の命日、頓写会には老若男女でにぎわうのは御承知のとおりであります。  この本妙寺からちょっと足を伸ばし山の中腹まで参りますと、清正公の銅像が熊本市街地を見据えて立っており、まさに清正公が熊本市の発展する姿をじっと見守っている、そのような感さえ持つのであります。  また、熊本市街地を展望できる場所は数多くありますが、とりわけこの西方から眺める市街地は、熊本城を真正面にとらえ、まさに絶景であり、夕日の中に屹然と立つ清正公は壮観な眺めといえます。このようなすばらしい場所だからこそ、数多くの市民が心の安らぎを求め訪れるのであります。  しかし残念ながら、せっかくのすばらしい眺望だというのに、現在あります方向図標が傷んでいるため、訪れた人はその方向さえもわからない状況であります。  方向図標といった表示板を設置すれば、加藤清正公もきっとお喜びになる、そのように思いますので、執行部の早急なる対応をぜひともお願いし、私の質問を終わらせていただきます。  本日は、長時間にわたり御清聴いただきました先輩、同僚議員、並びに最後まで傍聴いただきました傍聴席の皆様に対し厚く御礼申し上げます。  本日はまことにありがとうございました。(拍手)      ───────────────── ○鈴木昌彦 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後二時に再開いたします。                午前十一時五十七分 休憩                ────────────                午後 二時  二分 再開 ○江藤正行 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。      ───────────────── ○江藤正行 議長  質問を続行いたします。上村恵一議員。        〔三十八番 上村恵一議員 登壇 拍手〕 ◆上村恵一 議員  皆さん、こんにちは。くまもと会派の上村恵一でございます。  本日は、一九〇〇年代納めの定例会の質問に御配慮をいただきました議員の皆様方へ心から感謝とお礼を申し上げまして質問を続けてまいりますので、三角市長初め関係執行部の皆さん方には熱意あふれる御答弁をいただくことができますようによろしくお願いを申し上げます。  ところで、本市にとっては、一九〇〇年代の納めの年は台風十八号による被害や、大事には至りませんでしたが、小学生誘拐事件などの心が傷む暗い出来事が幾つかございました。しかし、一方においては「人、光る。」「くまもと未来国体」を初め「ハートフルくまもと大会」「全日本マスターズ陸上競技選手権熊本大会」の大きなスポーツ大会を通して本市を全国に発信することができましたことは、大会の成功とともに二〇〇〇年代の飛躍に向けて大きな弾みができたものとして期待をいたしているところでございます。  私も、秋季の国体においては、地域のコミュニティーセンターが宿泊施設に充てられた関係で、地域による国体運営委員の協力メンバーの一人としてささやかな手助けを行うことができました。そのかいありまして、宿泊選手団の中から優勝者を出すことができ、三十九年前の熊本国体では味わうことのできなかった感動を身に受けることができました。  この感動と五日間にわたる選手団との熱い触れ合いを通して得ましたこのほのぼのとした気持ちを持ち続けながら、これから本市が目指そうとしている新総合計画に基づく「よか人、よかまち、よか暮らし」のまちづくりに向けての努力を続けてまいりたいと思います。  それでは、最初の新年度予算編成についての質問に移らせていただきます。  激動と波乱に富んだ一九〇〇年代も残すところ二週間余りとなり、ずっしりと刻み込まれた百年間の歴史に別れを告げようといたしておりますが、我が国にとってこの一九〇〇年代の特徴は、前半の半世紀は明治維新の富国強兵に始まる軍国主義国家としての歩みであり、後半の半世紀近くは第二次世界大戦後、平和や民主主義、基本的人権を骨格として草案された新憲法のもとで、まさに右肩上がりの経済成長を遂げた経済大国としての歩みでありました。  しかし、九〇年来初頭から今日にかけての我が国の現状は、高度成長期の経済中心主義の大きなツケが一挙に噴出し、バブル経済の崩壊による景気の低迷や青少年の巨悪犯罪の多発化、さらには地球規模で生じている地球温暖化などの環境問題の顕在化など多方面にわたって社会不安を誘発する事態になっています。  このように我が国の将来には暗雲すら立ちこめる状況にありますが、国民の英知を結集することでさまざまで困難な課題を解決することができると信じ、二十一世紀が明るく輝かしい世紀となるよう祈願する次第であります。  ところで政府は、我が国の大きな政策課題の一つである経済問題について去る十一月十一日、新たな経済対策を決定いたしております。  ここで我が国経済の現状を見てみますと、経済企画庁が去る六日に発表した四半期別の国民所得統計速報によりますと、七月から九月の実質国内総生産(GDP)はマイナス一・〇%、年率に換算してマイナス三・八%と三期ぶりにマイナスに転じるなど、景気の自律的な回復軌道への道のりはなお厳しいことをうかがい知ることができます。  これは、アジア経済の急回復により輸出は顕著に推移したものの、個人消費、設備投資など民間需要が総じて振るわなかったほか、政策効果の息切れで公共投資が前期比八・五%の減と大きく落ち込んだことが要因となっております。九九年通算では何とかプラス成長を達成できるとのことでありますが、地域経済の回復は容易でないとの感じが募ります。  景気回復のかぎを握るのは個人消費でありますが、企業の生産調整やリストラなどにより失業者や有効求人倍率が過去最悪の水準で推移し、それによる勤労者所得が落ち込む中で厳しい所得環境にあり、今後も所得面からの下押し圧力が残るものと見られています。  このようなことから、国は事業規模で十八兆円の経済新生対策を決定いたしました。しかし、我が国の社会経済の真の構造改革が実現しなければ経済対策の実行はおぼつかないのではないかと思います。これで日本経済が再生しないようであれば我が国の財政はいよいよもって破綻し、国民生活も疲弊するのではないかと危機感を募らせているところでございます。  これまでも国は幾度となく経済対策を実施し巨額の財政投資を行ってきました。平成四年度以降今回までの経済対策の総額は実に百二十兆円を超えており、国は地方に対しても公共事業の追加などの財政出動を要請し、このことが地方財政悪化の大きな要因となっていることは御承知のとおりであります。  平成十一年度当初時点での我が国の国と地方を合わせた公的長期債務は今年度末で国民総生産をはるかに超える六百兆円と主要先進国中最悪の状況にありますが、今回の経済新生対策によりさらに悪化するのは必至であります。  このように、厳しい財政状況にある中、国の二〇〇〇年度一般会計は、各省庁から出された概算要求額を見ますと、九九年度当初と比較して二・一%増の八十三兆五千四百億円となっており、本年度に続いて積極型の予算が編成されることが確実視されています。  また、去る十一月二十五日、経済新生対策を受け、臨時閣議において総額六兆七千八百九十億円の今年度第二次補正予算案が決定され、昨年に引き続き新年度予算と一体化した十五カ月予算が編成される見通しであります。私も現下の厳しい雇用情勢やこれを反映しての個人消費の伸び悩みなど、経済情勢を考えますと、ここで景気対策のたずなを緩めるのは禁物であり、本格回復軌道に乗るまでは財政状況がたとえ厳しくともある程度の財政出動はやむを得ないのではないかと考えています。このような中、本市にとっての二〇〇〇年度は、二十一世紀における熊本市が目指すまちづくりの方針を明らかにする新総合計画の初年度となる極めて重要な年でもあります。  したがって、現在編成作業中の新年度予算は、これまで国体関連事業の促進に伴い先送りされてきた二十一世紀に向けての基盤づくりとなる重要施策への対応など非常に重要な予算となるものと思います。
     私どもくまもと会派は、福祉や環境、教育、さらには地方分権の推進など、市民生活に直結した政策要求を三角市長に提出しているところであり、特に新年度は高齢者介護を社会全体で支えることを目指した介護保険制度が期待と不安の中でスタートすることにもなるため、市民に安心感を与えるための介護サービスの充実など、市民が安心感や生きがいを実感できる中核市にふさわしいまちづくり推進のため予算面からの対応を期待いたしているところであります。  そこでお尋ねいたします。  去る三月公表された中期財政計画では、平成十二年度の公共投資の規模は四百五億円と設定されており、財政健全化を進めるため、市債の発行額も二百三十二億円に抑制することになっています。この中期財政計画は策定時点の制度を前提にしたものであり、今回の経済対策は当然想定されていないと思いますが、厳しい地域経済への対応や、ただいま申し上げました本市の二十一世紀に向けた基盤づくりへの対応には弾力的に取り組むべきだと考えます。  このような状況の中、新年度予算の編成に当たって、中期財政計画に基づく財政の健全化と、経済対策や新総合計画への対応をどう両立し編成されるおつもりなのかお尋ねをいたします。  財政との絡みもございますので、続けて市税の収納強化について質問をいたします。  経済対策につきましても、新総合計画に基づくまちづくりにしても、事業化する上で重要になってくるのはそれを支える財源であります。  本市の自主財源を見ると、バブル期の平成二年度の五三・六%をピークに次第に低下を続け、平成十年度は四五・六%にまで落ち込んでいます。  この最大の要因は、景気の低迷により自主財源の柱となる市税の伸び悩みにありますが、調定額の伸び悩みもさることながら、収納率の低下も一つの原因となっています。  平成二年度の収納率が九二・七%であったのに対し、平成十年度は中核市の中で最下位の八九%まで低下しており、滞納額も九十八億円と百億円を突破するのは時間の問題であります。  以上の状況を踏まえ、税務部門におきましては収納率向上のためさまざまな対策を実施し、最大限の努力を払われていることは十分承知しておりますが、その対策の中でも高額滞納対策が最も重要であろうと考えます。  そこで、収納体制の強化を図り、思い切った、いわゆる不良債権の処理が必要な時期に来ているのではないかと思います。  この際、本腰を入れた市税収納率向上対策をぜひ検討され、財政の健全化への第一歩となるような対策を講ずる必要があると思いますが、そこで、今後の収納強化についてどのようなお考えなのか、以上の点につきましては総務局長に御答弁をお願いいたします。        〔松村紀代一総務局長 登壇〕 ◎松村紀代一 総務局長  二点ほど私の方からお答えを申し上げます。  新年度の予算編成に当たって、中期財政計画に基づく財政の健全化と、経済対策や新総合計画への対応をどう両立させるかというお尋ねでございます。  今日の我が国の経済情勢は、個人消費の伸び悩みや厳しい雇用情勢など先行き予断を許さぬ状況でございます。  国においては、このような経済情勢のもと、景気の本格回復に向け新経済対策を決定いたしたところでございます。  本市におきましても、現在の厳しい地域経済の状況から、経済対策は財政面からもできる限りの対応が必要であろうと考えております。  したがいまして、国の財源手当ての内容や本市の財源見通し、補助内示の状況等を見きわめまして、昨年同様、次回の定例会において、今年度予算に経済対策関連予算の追加計上、さらには新年度予算におきましても中小企業対策や公共事業等、景気対策に配慮した予算の編成に努める必要があろうと考えております。  また、新年度は二十一世紀における本市のまちづくりの指針となる新総合計画の策定により、これに基づいた各分野における事業の推進のため新たな政策課題に取り組まなければならないと思っております。  しかしながら本市の財政状況はまことに厳しく、新年度においても、歳入面で市税、交付税等一般財源の大きな伸びが期待できず、また一方歳出面におきましても扶助費等義務的経費が増嵩するなど一段と厳しさを増すことが予測され、経済対策や新たな財政需要への対応にもおのずと限界があると存じております。  したがいまして、これまで質問にもお答えをいたしておりますとおり、中期財政計画を踏まえ、既定経費の思い切った節減や市税収納率の向上など自主財源の確保を図るなど、財源捻出に努力するとともに、事業の優先順位の厳しい選択を行い、必要な事業には財源を重点的に配分するめり張りのある財政運営に努めたいと考えております。  次に、市税の収納強化についてお答えをいたします。  財源の根幹であります市税収入の確保が極めて重要であることは重々認識をいたしておりますが、議員御指摘のように、長期にわたる景気の低迷等に伴い収納率の低下が顕著となっております。  したがいまして、平成九年に助役を本部長といたします熊本市市税収納率向上対策本部を設置し、収納率向上対策に取り組んできたところでございます。  平成十一年度におきましては、口座振替の加入促進等の従来の対策に加えまして、期間を限定した徴収事務のための併任職員の増員や不動産の公売等の新たな対策に取り組んでいるところでございます。  収納率が行政改革に示された目標を達成することはなかなか困難な状況であることや、中核市の平均を下回っておる現状を受けとめますと、今後とも、上村議員御指摘の高額滞納対策を中心として積極的に収納強化を進めてまいりたいと存じます。  よろしく御理解、御協力のほどお願い申し上げます。        〔三十八番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  新年度予算編成ということの質問に対しまして御答弁をいただいたわけでございますけれども、財政の健全化と経済対策という全く相反した課題を両立させていくことが今日の財政運営の基調のようになっていますが、これを両立させることは大変困難な面はあると思いますが、地域経済を好転させるためにも、そしてまた効果的な経済対策に取り組んでいただきたいと思います。  なお、その場合、現下の厳しい財政状況を考えますと、効果的な投資のやり方を工夫することが最も必要だと思います。そこで、景気対策の手法についてはこれまで行われてきた公共投資がどのような波及効果をもたらしてきたのかを十分に検証し、今後の公共投資に当たっては、民間の設備投資に対する誘発効果や地域の雇用創出につながるようなものに重点的な投資をお願いしたいと思います。  また、市税の収納体制については、収納率の向上を図り、自主財源の涵養にできる限りの見通しをつけるために職場の現状把握の上、一定の収納体制を築く必要があるものと思います。  ちなみに現在職員一人当たり平均一千六百件の滞納世帯を受け持つ状態になっているようでありますので、収納体制づくりについてはこれから特に再考をしていただくことを要請しておきます。  そこで、これは自主財源の確保や効率的な財政運営を行う立場からの要望でありますけれども、去る九月と十月に開催されたくまもと未来国体は大成功となりましたが、この国体関連施設の有効活用が今後の課題になっています。  したがいまして、アクアドームにおいて経済の波及効果の大きい全国大会や国際大会などのイベントを積極的に誘致していただくとともに、スポーツ宣言都市にふさわしい市民の生涯スポーツや地域スポーツの拠点として幅広く活用していただきたいと思います。  また平成十年度の決算監査で指摘をされている市有地については、例えば検討の結果適地と見なされた場合には、公園や住宅用地として活用するなどの計画的な有効活用策について積極的に取り組んでいただきたいことを強く要望いたしまして、次の交通問題の質問に移らせていただきます。  現在策定中の第五次熊本市総合計画の重点施策として取り上げられている熊本都市圏交通対策は、本市が目指す二十一世紀のまちづくりにおいては避けて通ることのできない課題になっています。  御案内のように、朝夕のラッシュ時を中心に本市の交通渋滞は目を見張るものがあり、ドライバーのストレスは一日の仕事開始前から最高潮に達することも少なくないものと思われます。  こうした状況の中で、本市が昨年行った「こんなまちにしたいなあ二十一世紀のくまもと」を主題にした市民意識調査によると、安全さ、便利さを求めて都市圏交通対策を希望している市民は二三・八%に達し、約三分の一に近い市民が交通対策への対応を強く望んでいることが明らかにされています。  なお、昭和六十三年の同調査においても、熊本都市圏交通対策は二位を占めており、いかに市民が交通対策を本市の重要課題として親身に受けとめているかということを理解することができます。  交通対策に関しては、熊本広域都市圏整備について協議する「熊本広域都市圏創造会議」を通して、平成七年八月、熊本都市圏の交通体系の抱える課題の解消などを盛り込んだ都市交通基盤整備に関するアクションプログラムが提示されています。  それによりますと、公共交通共通のプリペイドカードの導入、バス網の抜本的再編、新交通システムの導入などの課題を、短期、中長期的にスケジュールを策定し、行政、民間共通の指針として取り組みを進めていくことが提言されています。  これらの諸課題の中では、鉄軌道の高度利用を図る一環として、JR豊肥線熊本肥後大津間の電化工事の完了に続いて特急「有明」の乗り入れが開始され、さらに本市公共交通機関の重要な結節点として位置づけられているJR新水前寺駅と水前寺駅通り電停の結節については、二〇〇四年の供用開始を目指してこれから本格的な工事が進められるなど、既に一部の課題については実現化や実現の方向性が示されています。  しかし、交通渋滞の緩和を初め、公害対策や空洞化を続ける都心部の活性化など深刻な都市問題を解決するための対策として、従来から検討課題にされている公共交通機関を基軸にした交通網の抜本的な整備計画については依然として今後の課題として据え置きの状態になっています。  このような状況の中で、本市の公共交通体系の整備を取り巻く環境は、現在徐々に追い風が吹き始めています。すなわち、従来から熊本市の交通網の整備を行う場合、その基幹交通として位置づけされている路面電車が環境対策などの面から国内外を問わず見直されていることです。  環境に敏感なヨーロッパにおいては、いち早く高性能のライト・レール・トランジットの導入が都心部のトランジットモール化と並行して進められ、我が国においては、本市が全国に先駆けて行った超低床電車の導入を契機に、人と環境にやさしい乗り物として再評価されることになり、さらに路面電車の普及に拍車をかけているのが、建設省が路面電車の走行空間政策事業として軌道の延伸や施設改善に補助金を交付することになったことです。  このような利点を生かして、岡山市においては、既存の市電を延長し、環状型の交通体系を形成する計画が進められているようであります。  国が路面電車再生へ動きを見せ始めた背景には、建設費がキロ当たり地下鉄の二十分の一程度で済む、低床にすることによって交通弱者を救済できる、無公害のため人や環境にやさしい、交通混雑に影響されにくく、バスより定時性が高いなどの理由を挙げることができます。  国においては、こうした路面電車のメリットを活用した交通体系づくりを推進するため、二〇〇二年までに現在十九都市における路面電車の路線距離約二百四十キロを二百五十キロに、二〇二〇年までには五百キロに倍増させる構想を打ち出しています。  一方、建設省と運輸省は、先ほど熊本市など三都市をモデルケースにした路面電車の活用方策検討調査報告を取りまとめましたが、その中で、熊本市のケースについては、市電が東西方向の基幹的な公共交通として機能しているが、市街地が市電の沿線を越えて拡大しているため利用者が伸び悩んでいると分析の上、その改善策として健軍以東に路線を延長し、駐車場、駐輪場、バスターミナルを複合させた交通センターの設置を初め三点にわたっての提案が行われています。  こうした路面電車活性化の動きとともに注目されることは、本市が今年七月実施した「人にやさしく、地球にやさしいまちづくりをめざして」を主題にした市民意識の調査の結果、四分の三の市民が市電に愛着を感じ、環境保全と交通渋滞解消の切り札として路線の延長や新設を強く望んでいることです。  今後、路面電車を基幹交通として公共交通体系を築くためには、財源問題を初め各交通事業者や市民との合意形成を図るなど、多くの課題を克服しなければならないため、今日の客観情勢からすると、ややもすれば挫折感が先行することにもなりかねないと思われます。  しかし、熊本都市圏の人口は年ごとに増加し、一方においては著しいマイカーの普及によって交通渋滞は慢性化し、大量に上るCO2の排出は、地球環境に大きな負荷をかけることになっており、今後、人や地球にやさしいまちづくりを考えるとき、新型車両の導入を含めた対症療法だけでは限界があることは明らかであります。  また、九州新幹線鹿児島ルートの建設は着実に進められており、新熊本駅と都市部や郊外を結ぶための公共交通体系の形成は最優先の課題とされ、その場合、鉄軌道とバスとの環状型ネットワークの整備に対する必要性は大方の市民の一致した考えだと思われます。  申し上げるまでもなく、都市交通網の整備は、まちづくりと不可分の関係にあります。現在本市においてはJR熊本駅周辺の整備や市街地の再開発事業が本格的に動き始め、一方においては住宅地はさらに郊外に広がりを続けています。  こうした動向の中で、市民の生活環境や二十一世紀のまちづくりに大きな影響をもたらす交通対策を、これ以上先送りすることなく速やかにその方向性を示す時期に直面しているものと思います。  そこで、三角市長にお尋ねいたしますが、交通問題の現状をどのように受けとめながら、今後、熊本都市圏の交通対策を手がけていかれるお考えであるのか、交通行政に対する基本的な御見解を含めてお伺いいたします。  次に、熊本都市圏交通対策については、さきに紹介した公共交通に関するアクションプログラムを受けて、熊本都市圏公共交通検討専門委員会から、路面電車を再生したライト・レール・トランジットなどについて、建設費、輸送力、環境面への影響などを比較検討した内容を取りまとめの上提示されていますが、本市においては、それらを受けて抜本的な交通対策についてはどのような検討が行われてきているのかお尋ねします。  三点目は、現在、路面電車には追い風が吹き寄せており、この利点を生かさない手はないと思います。  そこで、路面電車の活性化を図るため、健軍終点以東、南熊本、辛島町間、上熊本、広町、水道町間などに計画的に路線の延長を行い、JRなどの鉄軌道や路線バスとの結節を強化して、公共交通機関の利便性を高めるための公共交通体系を形成する必要があるものと思いますが、これに対する御見解をお伺いいたします。  四点目は、現在、マイカーの普及が著しい先進国を中心に実施されている交通コーディネーターの育成と通勤マイカーの削減計画についてお尋ねします。  これは、マイカーによる一人乗車の通勤を極力抑制し、公共交通機関やマイカーの相乗りへ転換させることによって車の総量を削減させるため、交通コーディネーターを育成し、通勤時におけるマイカーの削減計画を策定して、各企業等に対して指導が行われているものであります。  この提案に対する対応については、交通渋滞の解消はもとより、環境保全の面からも、他都市に先駆けて環境保全都市宣言を行っている本市にとっては検討に値するものと思いますが、御見解についてお尋ねいたします。  続きまして、オムニバスタウン計画の進捗状況についての質問でございますけれども、地域の公共交通機関として中核的な役割を担っている路線バスの再生を目指して、現在全国各地でさまざまな取り組みが行われています。  最近においては、ことしの七月から福岡市が、マイカーの普及によって際限なく進んでいるバス離れを食いとめようと試行を始めた百円バスは、利用者に対する新しいサービス事業として注目を集めていますが、問題の乗客数は昨年の実績を大幅に上回り、良好な運行が行われているようであります。  日本バス協会の調査によりますと、百円玉によるワンコインバスは群馬県の前橋市、同じく高崎市、愛知県豊橋市などにおいては試行段階を経て本格実施に移行されているようであります。  百円バス運行に関しては、各地域の実態に応じた発想のもとに開始されているものでありますが、これまで繰り返されてきた乗客の減少イコール運賃値上げの悪循環を断ち切るための試みとして行われている、その発想の転換に対しては各社共通の思いが込められているものと思います。  このような状況を踏まえ、本市においてはさきの第三回定例会で我が会派の佐々木議員の質問に対して都市整備局長は、平成十二年度にも市の中心部を循環しながら運行するバス事業を柱にしたオムニバスタウン計画を目指しているとの考えを明らかにされました。  オムニバスタウン構想は、運輸省、建設省、警察庁が連携してバスの活性化や道路交通の円滑化を図る立場から実施されることになったものでありますが、発想のねらいは、「すべての人が利用しやすいバスの走るまち、渋滞や事故のない安全で移動しやすいまち、人が集える排ガスに汚染されないきれいな空気の澄んだまち」を築いていくことにあるようです。  現在、本市で検討されているオムニバスタウン計画が一日も早く実施されることによって、近い将来、人にやさしく環境に配慮されたまちづくりに一石を投じることができるよう、私自身期待をしている一人でもあります。  そこでお尋ねします。  オムニバスタウン計画の進捗状況と今後の対応について、さらに事業指定の見通しについてお伺いいたします。  以上の交通問題については、三角市長を初め関係執行部の御答弁をよろしくお願いいたします。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  都市交通行政に対する議員の熱意と高い御見識に対しまして深く敬意を表する次第であります。  近年、本市においても都市化の進展や市民の価値観、行動の変化による自動車利用の増大に伴い都市交通需要は急激に拡大し、社会問題化しております。  これらの需要に的確にこたえるようモビリティー(移動性)を確保することが必要であり、特に高齢者や交通弱者が自立して行動できるような移動手段の提供は、その社会参加を支え、活力ある社会を実現、維持するものと考えておるところであります。  そのために、鉄軌道やバスを有効活用しながら、さまざまな都市交通施策を総合的に展開することが求められており、高度化、多様化した都市交通ニーズにこたえるため、ハード施策とソフト施策の連動による都市交通体系の形成が必要であると考えております。  特に、本市の基幹交通であります路面電車につきましては、さきの市民意識調査の中でも、市民にとって身近で親しみのある市電として高い関心が持たれております。  また、先ほど議員御案内のように、平成九年八月に全国に先駆けて導入いたしました超低床電車は、国内の路面電車見直し推進の一助となっており、延伸等も含めた積極的な高度利活用の検討を図り、その機能を拡充していかなければならないと考えているところであります。  八月三日でございましたか、建設省、運輸省、関連団体が主催をいたします、この路面電車あるいはトランジットモールについて、全国のシンポジウムがございました。それに都市を代表して私も加えていただきました。  先ほどお話がありましたように、今や十九都市二十路線でございますけれども、かなりの都市が路面電車の復活あるいは新設を考えておるところでございまして、それらの方々が会場いっぱい埋め尽くしておりまして、この路面電車の活用というのが、我が国におきましていよいよ日の目を見る時代になってきはしないかなという思いをいたしておるところでございます。  また、公共交通体系の問題につきましても、きょうもちょっと自治労関係の組合員の皆さん方とお話し合いをしましたときに、私が大変幸いに存ずることは、交通労組の皆さん方が本当に積極的に改善なりいろいろ考えておられまして、この一つ一つをお伺いいたしまして、私どもも大変勉強させていただき、今後、一緒になって考えていくような力を与えていただいたところであります。  延伸の問題につきましても、またライト・レールあるいはトランジットモール化というふうなものも、今や国を挙げて、国が積極的にお金を出して検討する時代に入っておりまして、私どもも大変今後期待をいたしておるところであります。  いずれにしましても、総合交通体系の確立を目指して施策の展開を図っていきたいと考えているところでございますので、議員各位の御指導、御支援をよろしくお願い申し上げたいと存じます。        〔田尻紘都市整備局長 登壇〕 ◎田尻紘 都市整備局長  三点の御質問に上村議員にお答えをいたします。  第一点目は、熊本都市圏公共交通検討専門委員会の提示がありました抜本的な交通対策についてでございます。  議員御紹介のとおり、熊本都市圏公共交通検討専門委員会において、ライト・レール・トランジット等の新たな軌道系交通システムの導入が有効であると提案されております。あわせまして、国の支援制度の動向も踏まえ慎重に対応すべきことも報告をされております。  その中の軌道系交通システムの導入案のうち、市電を途中からライトレールとして延伸する案では、現在の市電の部分を高速化する必要があることから、県、市共同で電車優先信号やラバーポールを設置した、右折防止等による走行の円滑化策を検討しております。その結果、電車を優先させた場合には、自動車交通に与える影響は予想以上に大きく、主要交差点の混雑が一層激しくなることが明らかになってきているところでございます。  このような課題がありますものの、将来的には新たな軌道系交通システムは、熊本都市圏の総合交通体系の中で大きな役割を果たすべきものであると考えておりますので、さらに検討してまいりたいと存じます。        〔議長退席、副議長着席〕  第二点目は、交通コーディネーターの育成と通勤マイカーの削減についてでございます。  議員御紹介のように、米国等においては、企業等に交通需要マネジメントの推進を指導する交通コーディネーター制度があり、自動車の相乗り支援も行っていると聞き及んでおります。  このように、一人乗りマイカーから相乗りに転換させることは、交通量の削減や環境負荷の軽減等に効果的だということは十分認識しているところであります。しかしながら、我が国ではまだ新しい概念であり、システム化するための土台づくりなど、まだクリアすべき多くの課題もありますことから、貴重な御意見として参考にさせていただきたいと考えております。  第三点目のオムニバスタウン計画の進捗状況等につきましては、本年の第三回定例市議会で佐々木議員の質問に対してお答えしておりますとおり、平成十年度において運輸省の補助を受け、県、市共同で熊本市オムニバスタウン計画を策定いたしております。  現在、事業の実施主体となる各関係機関とにおいて、引き続き事業規模の精査、予算の確保等の具体的な検討、調整を行い、指定申請の準備を進めているところであります。  今後、準備が整い次第、国に対し地域指定の申請を行い、平成十二年度の早い時期に指定を受けたいと考えております。  また、福岡市等の例を示されての都心部内循環バスの導入でありますが、本市におきましても、都心部への来街者の歩行支援や中心市街地の活性化を図るため、オムニバスタウン計画の中で循環型バスの導入を計画しており、現在、実現に向けて交通事業者間の調整を行っているところでございます。  いずれにしましても、将来の都市交通を考える上から公共交通機関の果たす役割はますます重要になってきており、今後とも、公共交通機関の活性化に向け努力してまいる所存でございますので、議員各位の御指導、御支援をよろしくお願い申し上げます。
           〔市原敏郎交通事業管理者 登壇〕 ◎市原敏郎 交通事業管理者  お答え申し上げます。  路面電車の延伸について具体的なルートをお示しになっての御提案でございます。  申すまでもなく、市電が長い歴史の中で本市の都市形成に果たしてきた役割は極めて大きく、現在も都市の基軸をなしておりますことは御案内のとおりであります。将来も、この市電が本市における基幹交通としての役割と使命を果たしていかなければならないと、このように考えております。  延伸の御提案の中には、かつて昭和四十年代まで市電の路線があったところもございますが、御承知のように、今日ではその沿線状況も変化しておりますし、また、住宅地等の郊外への広がりに伴って新たな路線需要も生まれていようかと存じます。  議員お説のように、路面電車は大変環境への負荷が小さいことや交通渋滞緩和の視点から近年国内外で注目を集めており、また、その建設コストの魅力も相まって、将来の都市内交通の担い手として期待されております。  さらに、先ほど市長からもお答えの中で触れていただきましたが、さきに公表された市民意識調査の結果を見ましても、市民の大方の皆様が市電に愛着を感じておられますし、国の動向などを考え合わせますと、交通局といたしましても、このタイミングを逃さず、時期を失することがないようにしなければならないと考えます。  熊本都市圏の公共交通の将来像が描かれる過程で、市電の延伸計画も、都市形態の変動を勘案しながら、夢から現実により近いものへと具体的に練っていかなければならない時期が来ておると考えます。  一方、現在の交通局に目を向けてまいりますと、多額の不良債務、赤字を抱え、経営上極めて夏慮すべき状態であろうかと、これは議員も御案内のとおりでございます。  このことをいろいろ考えながら、そしてまた先ほども申し上げました時期を失することなく、今後いろいろの事業を進める上では優先順位を定め、経営改善にも十分考慮しながら政策を展開していきたいと、このように考えます。  今後、議員各位の御理解、御支援をよろしくお願い申し上げます。        〔三十八番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  交通問題、いろいろ課題が山積している中で、大変な課題ではございますけれども、先ほども触れましたように本市には特に、定時性が高く地球環境にやさしい市電などの鉄軌道が充実していますので、これを最大限に生かして、路線バスとドッキングさせた、公共交通体系の形成の見通しをつけるためのさらなる努力を追求していただきますようにお願いをしておきたいと思います。  また、オムニバスタウンについては、早期実現とともに、実施するからには必ず成功させることができるように詰めの準備を続けていただきたいと思います。  なお、初めて提案いたしました交通コーディネーターの育成と通勤マイカーの削減については、公共交通環境の利便性を高めるための取り組みなどと並行してこれから検討をしていただくように要望いたしておきます。  そこで、午前中に、大江の車両基地移転と跡地の有効活用についてということで田尻議員が御質問されましたので、角度を変えて要望を一言申し上げておきたいと思います。  考朽化した交通局の庁舎や車両基地の現状は、高齢者や障害者が積極的な社会参加を行う時代を迎えている今日、今のままではエレベーターの設置さえもできない、その上車いす利用者は、施設の構造上正面入り口からは出入りすることができないため裏口が利用されているなど、時代にそぐわないものになっています。  また、庁舎正面の入り口が、自転車等を含めた人通りの多い歩道に直面しているため、特に局への来庁者が外へ出る場合には危険を伴う状態になっています。  さらに、電車の整備工場や変電所施設は、本年度実施の耐力調査においては基準以下の結果が示されていますが、中でも大正十三年に建設されている電車整備工場は、大雨の場合にはピットに雨水がたまると作業ができなくなり、あわせて天井には剥離が見られるなど、大変危険な状態の中で作業が行われています。  いわば、大江車両基地は、市民にとっても交通局にとっても大変不都合な施設として長年にわたって利用されており、このような施設から移転するために、厳しい財政状況の中ではありましたが上熊本用地を取得しているのであります。  したがいまして、所期の目的に沿って、当用地へ一日も早く移転し、交通局再建の拠点施設として開設できるよう強く要望いたします。  また、大江車両基地の周辺地域は、本市の人口の重心付近に位置する地域でありながら余り整備が進んでいない地域となっております。  そこで、移転後の跡地の利用につきましては、周辺地域の活性化を図る観点から、一部の施設については市電のとめ置き場として活用させながら、建てかえが検討されている熊本保健所を含め、人の流れをストックできるような複合施設の建設をぜひ検討していただきますように要望いたしまして、次の総合計画とまちづくりの推進についての質問に移らせていただきます。  現在、二十一世紀の熊本市政の方向性や目指すべき都市像の指針となる第五次熊本市総合計画の基本構想については、有識者、市民代表等で構成される諮問機関での審議などを踏まえ、その基本構想の素案が提示されたところであります。  これに先立ち、昨年度、執行部におかれましては、基礎的調査として、市民意識調査や都市機能調査、あるいは市民の声の募集などを実施され、この七月、その報告書を市議会にも配付していただきました。  中でも、都市機能調査では、本市の行政機能を初めとする都市としてのさまざまな機能の水準を客観的に把握するため、九州管内の主要都市や他の中核市から八つの都市を抽出し比較分析が行われており、私も大変興味深く拝見させていただきました。  それによりますと、本市は、自然災害や犯罪の発生件数など市民生活の安全性、快適性や、住宅や物価水準などの暮らしやすさ、また行政機能や大学の設置数などの中枢性という点ではAランク、医療、福祉の分野や小売、レジャー産業などの消費サービスの分野は平均的なBランク、教育、文化、環境や都市基盤の整備状況、また製造品出荷額などの生産力はCランクとなっており、消費都市、管理都市としての性格が強くあらわれているという分析がなされています。  また、今後、社会や経済情勢の変化が本市にどのような影響をもたらすのか、さらに、本市の目指すべき方向性などについても検討が加えられています。  このような調査結果や市民ニーズの動向を踏まえた上で、今回示された構想素案では、将来熊本市が目指す都市像として、本市が誇る水や緑などの自然環境を最大限に生かしたまちづくりを推進する中から、生活環境の充実や都市機能の拡充を図ることによって、県都として、さらに九州の中枢都市としての実力を高めていくことが望ましいとの方向性が示されています。  このように、本市の特徴や課題の全容を浮き彫りにしながら、将来の情勢などを分析の上、目指すまちづくりの方向性が提示されましたことは、内容的にも、毎年我が会派が市長に提出している政策要求とほとんど一致しており、十分に評価されるところであります。  しかしながら同時に気になりますのは、現在の第四次総合計画についての評価であります。申し上げるまでもなく、現計画の策定時と現在とでは、社会経済状況の変化は万人の予想をはるかに超えて著しいものでしたので、十分な進捗が望めなかった側面も否定できませんが、あくまでも現計画の成果の上に新たな計画の策定があるのですから、現計画の成果をどう評価するのかは避けて通れない問題だと考えます。  そこで、まず一点目のお尋ねでございます。  現総合計画についてどう総括され、その結果を新計画にどのように生かしていかれるお考えであるのかお聞かせください。  また、今回の基本構想素案の特徴は、まちづくりに対する市民の意識調査を初め、市民各層からの論文、作文の募集や各種アンケートの実施、また、まちづくりシンポジウムの開催など、可能な限り幅広い市民の参加を基調に取り組まれていることです。  私も、先月開催されましたまちづくりシンポジウムに参加させていただきましたが、二百名近い市民の方々が集まられた中で熱心な論議が交わされ、改めて市民の皆さんのまちづくりに対する熱意に大変感心いたしました。  このような取り組みは、素案にもうたわれておりますように、まちの主役がすべての市民である以上当然なことではありますが、これまで四次にわたる総合計画が、有識者や行政、議会を中心にした、いわば特定の限られた範囲内での審議などを踏まえて策定された経緯からいたしますと高く評価され、市民のまちづくりに対する関心はこれまで以上に高まることが期待されております。  今後、素案については、さらに市民の声などを受けて取りまとめられたものを、平成十二年第一回定例会に議案として上程され審議が予定されているようであります。  このようなことを踏まえ、これから第五次総合計画を着実に実行していく立場から申し上げますと、素案の中で掲げられています「市民主体のまちづくり」の推進については、その推進体制こそが非常に重要であると思っております。  そこで、市民参加の体制づくりについてお尋ねいたします。  構想素案で強調されているとおり、私も、これからは市民参加のまちづくりが必要であると思います。市民ぐるみのまちづくりを推進する中から、例えば地球温暖化や環境破壊といったことについて、その原因に対する共通認識が広がり、その結果として市民の行動が促されて社会貢献につながるということが期待できるものと思います。  しかし問題は、その市民参加の体制づくりをどのように手がけていくかということであります。  私はまず、常日ごろから地域住民と深くかかわりを持っておられる自治会や各種団体のまちづくりの機能を一層充実させるため、積極的かつきめ細かな情報の提供を行う必要があると思います。また、まちづくりへの市民参加の意義や、市民と行政の役割分担の内容等を具体的に示すことで市民参加を推進すべきであると思っておりますが、いかがでございましょうか。  新たな総合計画を着実に実行していくために、今後、市民参加によるまちづくりを具体的にどのように進めていかれるおつもりでしょうか、基本的な考え方についてお尋ねいたします。  三点目の質問は、職員の意識や技能の向上についてであります。  市民のまちづくりに対する認識が高まるにつれ、行政と直接かかわる機会が当然ふえてくることが予想されます。  そこで、職員が市民との共同によるまちづくりに対して十分な認識を持つとともに、一人一人がまちづくりのコーディネーターとしての役割を担うための力量を身につけていくことが必要になってくると思われます。  このような点について、どのように対応していかれるのかについてお考えをお聞かせください。  最後に、企業への周知についてお尋ねします。  今日、ソフト面、ハード面を含めて、企業のあり方がまちづくりの成否に大きな影響力を持っています。環境問題への対応は申し上げるまでもなく、地域おこしや青少年の健全育成などにおいても企業の協力なしには実現は困難です。したがいまして、地元企業に、本市が目指すまちづくりの理念や都市像について十分な理解を促し、市民と行政と企業が三位一体となってまちづくりに取り組むことが重要であると考えます。  このような観点から、総合計画の推進に当たって、企業への周知や協力関係づくりをどのように進めていかれるかについてお尋ねいたします。  以上四点につきましては企画調整局長に御答弁をお願いいたします。        〔齊藤聰企画調整局長 登壇〕 ◎齊藤聰 企画調整局長  第五次の総合計画に関してお答えを申し上げます。  御質問の一点目、第四次総合計画の評価と新計画への生かし方についてでございます。  第四次総合計画では、年間五%の税収の伸びを前提に、旧飽託四町との合併等、人口や財政の持続的な拡大を基調とし、幅広い施策、事業を盛り込んでおります。  本市ではこれまで計画推進に全力を挙げて取り組み、二十一世紀に向けた新たな魅力と可能性を引き出すなど、一定の成果をおさめてきたところであります。  しかし一方では、その後の長引く景気低迷や市民ニーズの変化に伴い、一部事業の縮小や凍結を余儀なくされたほか、施策達成率についても明確にしにくい側面がございました。  そこで、新計画では、今後の社会経済情勢や本市財政計画に整合させたまちづくりの戦略方針を立て、施策、事業の絞り込みを行っていくこととしております。  また、できるだけ具体的な目標数値を設定するなど、客観的な評価ができるような計画にしたいと考えております。  引き続き、市民参加の体制づくりについてでございます。  御案内のとおり、先般御提示いたしました基本構想素案では、基本理念としまして「市民総参加によるまちづくり」を掲げております。  この理念を実現していくためには、議員御指摘のとおり、積極的かつ効率的な情報提供や役割分担の明確化等が必要であり、さらに市職員のリーダシップや企業の積極的な参加も欠かせないものであります。  そこで、今後の進め方といたしまして、今日の情報化時代に対応し、既存の広報手段に加え、より身近で利用しやすい情報提供に努めるとともに、公共施設の運営等への住民参画など、市民と行政の役割分担や協力のあり方を検討する。  また、市職員については、日常業務の中で、市民との信頼あるパートナーシップを築いていくとともに、みずからが地域社会の一員としてまちづくり活動に積極的に参加するよう、研修やボランティア休暇制度の利用促進などを通じ意識を高めていく。  さらに、企業の立場では、既に基本構想審議会の委員に商工会議所や青年会議所からも加わっていただいておりますが、今後、出前講座等を活用し、企業に対しても新総合計画の積極的な周知、啓発を行うとともに、おのおのの分野での協力体制を整備する等、このような取り組みを進めていきたいと考えております。  今後、議員各位におかれましても、新総合計画へのなお一層の御助言、御指導を賜りますよう心からお願いを申し上げるところでございます。        〔三十八番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  総合計画の関係でございますけれども、先ほど紹介いたしましたように、さらに市民の声などが取り入れられ、付加されたものが成案として平成十二年第一回の定例会に提出される予定になっているようでありますので、議会での活発な審議を踏まえ、本市が二十一世紀に向けて飛躍を続けるためのすばらしい立派な指針として決定されることを期待いたしまして、次の教育問題につきましては、質問二点、要望一点を続けて行ってまいります。  初めに、学校図書館の機能充実についてということです。  平成七年度から小中学校図書館の機能を充実させることを目的に、図書司書の配置とともに開始された、いわゆる学校図書館のモデル事業は本年度で五年目を迎えることになっています。  このモデル事業を通して学校図書館が有効に機能することが改めて証明され、これから司書の全校配置に向けての積極的な対応が期待されています。と申し上げますのは、これまでのモデル事業を通して三つのケースが明らかにされたことです。  まず、現在司書の配置が行われている小中学校二十校については、子供たちがいつでも気軽に館内へ足を運びたくなるような環境づくりとともに、図書に対する興味や関心を高めるため、書棚には分類された本がきちんと並べられ、さらに人気作家のコーナーなどが設けられているところもあります。このため図書館の利用が活発になり、貸出冊数の増加はもとより、調べ学習など授業と連動した活用が積極的に行われています。  ここで、今年度配置された司書の感想を紹介してみますと、  『午前十時過ぎに図書館に入ると、入り口にずらりと上靴が並んでいる。私の勤務は一日五時間なので、授業の途中が出勤時間になる。おはようございますと、子供たちに声を掛けると元気のいあいさつが返ってくる。美術の授業なので、動植物の図鑑を見いながら下書きをしていた。  授業では、このほかに家庭科の献立調べや知的障害クラスの読書など、幅広く図書館が使用されている。  昼休みには、日ごとに図書館に足を運ぶ生徒が増加し、一教室広さの館内には五十人以上が入ってくる。暑さが増すこのごろ、冷房がないので熱気でむんむんする。中学生になると、余り運動場では遊ばない生徒もいるので、これまで教室や廊下でおしゃべりをしていた子供たちが図書館に来るようになったものと思う。  放課後には宿題をしたり友達と待ち合わせをし、図書を読みに来る場所としてにぎやかになり、そのようなときに生徒の素顔が見えてくる。  これからまず、できるだけ図書館に足を運んでもらうための受け入れづくりを中心に手がけ、次に設備を充実させることだなあと思っている。  幸いことしから図書の購入予算が大幅に増加し、先生や生徒の図書館に対する関心が高まっており、その予算で学校にぜひ必要と思われる図書をそろえていきたいと考えている。』  次に、三年間の試行が終了し、司書が引き揚げられた学校の実態は、せっかく苦労してつくられてきた図書館の環境整備や基礎づくりがだんだんと崩れ、利用者も、常時人がいなくなったため、管理の面から放課後などの限られた時間帯に限って開放せざるを得なくなったことによって、大幅に減少する事態になっています。  司書が引き揚げになったA学校の図書主任の話によると、「司書さんがいたころは、調べ学習などのため、幅広い範囲で教材になり得る図書を、ない場合にはほかの図書館から取り寄せてそろえてくれた。また昼休みには、百人近い生徒であふれ、そのような状況の中で司書さんは、生徒一人一人の読書傾向を把握し、新しい本を紹介するなどの努力が行われていた。またときにはカウンセリングのかわりにもなっていた。図書館の利用や読書の仕方が向上したのは、ひとえに図書館に常時人がいたからできたことで、その司書さんがいなくなり、昨年は国語科の先生が昼休みに開館していたが、現在はかぎがかかっている状態で、わずかに放課後三十分間程度開館している。」ということで、利用者は一日二、三十名に激減する状態になっているようです。  また、同校に設置されている意見書箱から「司書さんがいなくなって寂しい。司書の先生から紹介された本は、とても物事に意欲が高まり、私を成長させてくれたと感謝している。その司書さんが欲しい。」と生徒からの切実な訴えがなされています。  一方、まだ試行の対象になっていない司書の未配置校については、少しでも図書館の利用を増加させるための努力は行われているようであります。しかし、一日のほとんどは締め切られ、図書の整理を含めた館内の環境整備が不十分な現状においては、子供を図書館に対する興味を持たせることは極めて困難なように思えます。  このように、モデル事業の終了校や未配置校が図書館としての使命が十分に果たされていないのに対して、現在、司書配置のもとに実施されているモデル校については、子供の読書熱や学習意欲を高めることになっていることはもとより、子供の居場所としても役立っていることが証明されています。  したがって、これまでのモデル事業における実績からして、司書の全校配置に向けての努力は、本年度から市長の英断によって大幅に増額された図書の購入費を有効に活用し、二十一世紀を担うかけがえのない人材を健全に育成するためにも積極的に対応することが強く求められています。  今日、学校教育は大きな転換期を迎えていますが、そうした中で二〇〇二年度から実施される完全週五日制に向けての新学習指導要領によると、子供たちに生きる力をはぐくむため、既存の教科の枠を超えた総合学習が取り入れられることになっています。  それによると、子供たち自身が課題を見つけ、みずから学びみずからの考えのもとに主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てていくことなどがねらいとされています。  その総合学習の推進に欠かすことのできないのが学校図書館の積極的な活用であり、そのためにも図書館機能を充実させるために必要な司書の配置が望まれることになります。  そこでお尋ねいたします。  学校教育の展開や児童・生徒の個性を伸長し、自発的な学習意欲を高めるために必要な基礎施設として設置されている学校図書館を有効に活用し、円滑に運営するためには常時館内が開放され、児童・生徒に対する対応が積極的に期待できる図書司書の配置の必要性がこれまでのモデル事業を通して明らかにされています。  教育委員会はこの実態をどのように受けとめ、教育現場から強く求められている司書配置の実現に応じていかれるお考えであるのかお伺いいたします。  次に、市立図書館の書庫の拡充についての質問でございます。  昭和五十七年十一月開館された熊本市立図書館は、開館当時としてはコンピューターの施設を備えた先進的な施設として注目を集めました。  しかし、十七年を経過した現在においては、時代や市民ニーズの変化などによって種々の問題に直面する状態になっています。  とりわけ建設時に一定の見通しのもとに設置された蔵書の収容能力三十八万五千冊に対して、平成十一年十一月現在で、この収容能力を大幅に超える四十三万五千冊を収容する状態になっています。こうした収納施設の状況の中で、毎年平均五万冊の図書が購入されている一方、廃棄物や地域の公民館などにリサイクルとして無償で譲渡されていますので、この分を差し引きますと年間二、三万冊の図書が増加していることになっています。  このため、二十三万冊の収容能力を持った書庫には、現在三十万冊近い図書が収容されており、たびたびリクエストに応じて貸し出しカウンターから奥の書庫まで本を探しに行く状態が多くなっていますので、どうしても手間がかかることになって、結果的には利用者に対するサービスの低下を招くことにもなっています。  現在、約四百七平米の書庫はまさにすし詰めの状態で、書架に収容できない図書は段ボール箱に入れて、空間のないほど床に並べられています。  図書館においては、老朽化した施設の改修を含めて、リニューアル事業によって図書館の機能を充実させるための検討が行われているようであります。  そこでお尋ねいたします。  図書館が抱える多くの課題の中でも、当面の緊急課題として解決が求められている市立図書館の書庫の拡充計画に対して、どのようなお考えであるのかお尋ねいたします。
     もう一点は、要望でございますけれども、市費学校事務職員の配置見直しについて。  現在、職場見直しの一環として小中学校に配置されている市費学校事務職員の配置見直しについては、現在教育委員会と職員団体や関係する職場代表などとの話し合いが持たれています。  市費の学校事務職員は、県費の事務職員と連携をとりながら学校運営に必要な事務業務に従事しています。  その業務内容は、市や県の教育委員会等から発送される公文書に対する対応を初め、教職員や児童・生徒、さらに物品購入、施設の管理事務などを初め、広い範囲にわたって手がけられています。  また、事務室は事実上学校の窓口になっているため、保護者や業者、地域住民を含めた外来者への応対や電話の対応を頻繁に行うことも職場の特徴になっています。  さらに、入学式、卒業式、運動会、文化祭などの学校行事については、会計や準備などの面から深くかかわりが持たれています。このため、職員配置の見直しについては職員団体などとの話し合いと並行して、教育現場の実態を詳細に把握するための対応が最も重要だと思われます。  また、市費、事務職員の配置基準が見直された場合、現在学校で手がけられている業務の一部は教育委員会で対応されるにしても、ほとんどの事務業務は学校内で対処することになると思われますが、その場合、それらの業務を円滑に処理することができるのかどうか、その見通しをつけることが必要だと思います。  特に事務業務の一部が教師に配分されるようなことになれば、現在でさえ子供と教師とのかかわりが希薄化されている中で、学校教育そのものに支障をもたらすことにもなりかねません。さらに、一部の業務の本体は、教育委員会で対応されることになったとしても、例えば学校給食費の徴収事務のように教育現場と逐次連絡をとらなければならない業務に対する見きわめをつけておかなければ、手薄な現場の職場に多くの手間をかけることにもなるものと思います。  このような点を考慮の上、この問題は児童・生徒を含めた学校運営にかかわる重要な問題として、教育現場を初め関係者との十分な協議を踏まえ慎重に対応していただくように強く要望いたします。  以上の点につきましては教育長職務代理者に御答弁をよろしくお願いします。        〔徳田勝比古教育長職務代理者 登壇〕 ◎徳田勝比古 教育長職務代理者  二点についてお答えを申し上げます。  まず、学校図書館の司書の配置についてでございます。  議員もお述べになりましたとおり司書の配置モデル事業につきましては、人がおることによりまして、利用者数の、あるいは図書の貸出数の増加が見られ、さらに学校図書館が子供たちの心のオアシスともなるなど、学校図書館の活性化に成果を上げてまいりました。  そのような中で最近地域の方々の学校図書館に対する関心も高まり、一部の学校においては保護者や地域の皆さんがボランティアとして協力されるということも聞き及んでおります。  また、先ほど議員の方でもお述べになりましたが、今後予定されております総合学習など、これからの教育が目指すべき、子供たちがみずから学びみずから考える、問題を解決していくという、すなわち生きる力の育成を考えましたとき、学校図書館の役割はますます重要になるであろうというふうに思います。  今後は、平成十五年度から図書教諭の配置動向、先ほど申し上げました地域ボランティアの協力等の動きなども見ながら、厳しい財政状況の中ではございますが、学校図書館への人的措置のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、市立図書館の図書の拡充についてでございます。  議員御案内のとおり、市立図書館は昭和五十七年当時、先端を行く図書館として建設され、その後公立公民館と図書室十四室とオンラインネットワークを構成し、市民の方々への図書サービスに努めておるところでございます。  しかしながら、年間二万から三万冊の増ということが起こっておるわけでございます。既存の書庫では納め切れず書庫に不足を来してきているということは認識をいたしております。いろいろな方法を工夫いたしまして対処してまいりましたが、来年度におきましては図書館の部屋の一部改装等も考え合わせまして書庫スペースの確保に努力したいと考えております。  今後とも、市立図書館が図書サービスの中核施設として市民の方々の多様なニーズや利用者の増加等に対応できますよう努めてまいりたいと思います。  なお、市費事務の配置についての御要望でございますが、今後とも関係団体と話し合いを十分に行い、誠意を持って対応してまいりたいと考えております。        〔三十八番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  まず、図書館機能の充実ということで学校司書の関係でございます。  ただいまの答弁におきましては、教育委員会としては、これまでのモデル事業を通して学校図書館の活性化に見るべき成果を上げることを高く評価の上で、司書配置については新たな対応が求められていることを十分受けとめられたようでございます。  その上で、司書教諭の配置の動向なども視野に入れながら、現在小中学校二十校に配置されている二十名の司書をベースに、これから人員配置の充実に向けて努力をしていきたいとの答弁に対して大いに評価をいたします。  特に、三年間のモデル事業が終了した学校については昨年度から司書の引き揚げが行われてきましたが、これを見直したいとの意向が込められた教育委員会の前向きの姿勢に対しては、子供たちも非常に喜ぶものと思います。  司書の全校配置によって、必ず近い将来、子供たちの成長を通して多くの社会資源が地域社会に還元されるものと確信をいたしております。  どうか、来年度以降は、計画的に学校図書司書の全校配置ができる限り早い時期に実現できますように努力をしていただきますように要望をいたしておきます。  また、次の市立図書館の書庫の拡充につきましては、私の方で五、六年ほど前に新図書館の建設問題に絡めて取り上げてまいりましたが、その当時から既に書庫の床には図書が山積みされておりました。どうか来年度の早い時期に、利用者に対するサービスの充実を図る立場から書庫の拡充に見通しをつけることができるように対応をしていただきたいと思います。  なお、書庫がすし詰めの状態になっていることは、閲覧室の書架のスペースが余りにも手狭なことがその原因になっていることを重視する必要があると思います。答弁の中では、市立図書館が図書サービスの中核施設として、市民の多様なニーズや利用者の増加などに対応できるよう施設の充実に努めていきたいということでありますので、今後の努力に大いに期待をいたしております。  また、市費学校職員の問題につきましては、特に子供たちに与える影響を十分視野に入れながら対応をしていただきますことを要請して、次の質問に移らせていただきます。  都市計画道路の事業展開についてということでございます。  都市にとってその活動の動脈とも言える本市の都市計画道路は、終戦直後に都市の復興や再建とあわせて決定され事業がスタートしたものでありますが、その後、昭和三十六年に大幅な見直しが行われて以降、我が国経済の高度成長、都市への人口集中化とともに、本市においても特に交通需要の急速な増大から、新空港、九州縦貫自動車道、国道バイパス等の基幹事業が相次いで着工整備されてきたものであります。  また一方においては、宅地の著しい郊外への進展などによって市街地の拡大に拍車をかけることになり、マイカー時代の到来は幹線道路の処理能力を上回る車両保有台数の増加を促し、市内各地で交通混雑が激化する事態に至ったものであります。  そこでこのような状況を踏まえて、昭和四十四年、都市計画道路が総合的に再検討され、新たな道路網として決定されたものが二環状八放射を骨格とする現在の都市計画道路であり、以降三十年間国、県、市により営々と事業が展開されてきたところであります。  しかし事業の進捗状況を見ますと、全国中核市の整備密度が平均一平方キロメートル当たり一・四五キロメートルに達しているのに対して、本市では一・一〇キロメートルと他都市の七六%のレベルにとどまっています。  さらに、国の都市計画道路網整備密度の一平方キロメートル当たり三・五キロメートルの標準目標から見ますと、全国中核市平均で二・五キロメートルに達しているのに対して、本市の場合は一・六キロメートルと極めて低い状況になっております。  このような全国中核市の進捗状況の実態を踏まえて勘案しますと、本市の都市計画道路の整備事業は、その道路計画延長からして既に終結していなければおかしいと言うこともできます。  事業のおくれにはいろいろな原因が挙げられますが、その中の一つが財源措置にあるものと思われます。例えば平成八年三月、熊本都市圏交通計画検討委員会から早期整備の必要性があるものとして十七路線に対する事業の促進が提言されています。この整備費に必要とされる概算事業費は国、県、市おのおの一千億円、合わせて約三千億円が見込まれていますが、これに対して提言後の三年間の市持ち分の事業展開を見ますと、事業費は国体関連道路を含めて総額約二百七億円となっています。  その年次ごとの内容は、平成九年六十七億円、平成十年八十二億円、平成十一年五十八億円となっていますが、このうち平成十年は景気対策で約十五億円含まれていますので、年ごとに財政面からの対応は後退を余儀なくされることになっています。  深刻な財政危機に直面していることは重視しなければならないにしても、現在程度の経費で事業が展開されていくことになれば、新総合計画に基づいたまちづくりそのものにも影響を与えることにもなりかねないと思われます。  また現在、都市用地課において用地測量、用地買収、登記、補助申請などの業務に当たっている用地担当の職員は七名とのことであります。交渉の早期妥結のためには、地権者の方々との話し合いの回数を重ねることが最も大事なことのようでありますが、職員体制が手薄なために数カ月に一回程度しか訪問できないのが実態のようであります。  このような悪条件の中で進められている幹線道路整備の年間における平均延長はわずか一・九六キロメートルとなっていますが、この事業ベースで進んだ場合、未整備延長が約八十八キロメートルになっていますので、少なくとも完工までには約四十五年の歳月を要することになり、昭和四十四年の計画決定分だけで実に七十五年もの年月をかけることにもなります。  都市計画道路は都市交通施設機能を初め、都市環境機能、都市防災機能、都市施設の空間機能、街区の構成と市街化の誘導など、まさに都市基盤の屋台骨としての役割を担っているということができます。  財政危機の中で大変なことではありますが、都市計画道路整備事業のおくれによってもたらされている多くの弊害を解消し、さらに新総合計画に基づいた二十一世紀のまちづくりを成功させるためには、経済の波及効果を含めて都市計画道路の果たす役割は多大であることに対する認識を改めて高めていただく中で、計画性に基づいた整備事業の促進に向けて努力していただきたいと思います。  そこでお尋ねします。  二十一世紀のまちづくりの中に、相当のおくれをとっている都市計画道路の整備事業を今後どのように位置づけ、さらにどのような計画性を持って事業の促進に当たっていかれるお考えであるのかお尋ねいたします。        〔田尻紘都市整備局長 登壇〕 ◎田尻紘 都市整備局長  都市計画道路の整備の位置づけと計画性、事業促進についてお答えをいたします。  上村議員が述べられましたように、本市の都市計画道路の整備状況はその目標水準、他都市との比較という面から見て決して誇れるものでないことは、私どもも十分に認識いたしております。  我が国においては、二十一世紀が少子高齢化、経済、食料、環境等多くの課題を抱えながらも主要都市圏へ人口が集中する傾向は続くものと予想されております。  したがいまして、都市計画道路が持つ交通、環境、防災、ライフライン機能等は今後ともその重要性が増大するものでありますので、本市の総合計画、現在策定いたしております都市計画マスタープラン、市の重点施策等に位置づけしているところであります。  事業の計画性についてでありますが、今後とも、限られた予算の中で最大の効果を上げるべく国、県、市で現在第三回パーソントリップ調査を実施いたしております。この中で未整備路線、新規路線、公共交通等も含め、社会構造の変化に対応した都市計画道路のあり方が検討されておりますので、平成十二年度までに国、県とも協議の上、整備計画を策定する予定であります。  事業促進につきましては、今日までスタッフ一同一丸となって鋭意努力いたしてきておりますが、御指摘のとおり都市計画道路の整備促進を図るには、人と金をふやすことはもちろんのことですが、交渉のあり方がかなりのウエートを占めるものであります。  現在、地権者との交渉は話し合いでの合意を基本として行っておりますが、交渉が長期化し道路整備促進の大きな障害となっているケースも少なくありません。あくまでも話し合いでの合意が基本でありますが、今後は費用対効果という観点からも長期化するものについては、その交渉のあり方について再検討が必要と考えております。  都市計画道路の整備促進には、今後とも国、県に対して補助額の拡大を強く働きかけてまいりますとともに、用地専門職員の増員、育成を図ってまいりたいと考えております。議員各位一層の御支援を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。        〔三十八番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  都市計画道路の事業の展開につきましては、今局長の方からも指摘がございましたように、地権者を含めた市民の同意を得なければならないなど、大変な事業ではありますが、とにかくまちづくりに関する重要な課題であり、さらに先ほど新総合計画の中でも指摘いたしましたように、他の中核市と比べて、都市計画道路を含めた都市基盤整備の面で本市は相当のおくれをとっていることなどを親身に受けとめていただく中で今後の事業展開に当たっていただきたいことを要望いたしまして、最後の雇用対策の質問に移らせていただきます。  雇用対策につきましては、企業のリストラなどによって新年を迎える気持ちにはなれない多くの失業者や、その御家族の切実な心境を代弁する気持ちで質問をしてまいりたいと思います。  企業の相次ぐリストラによって、我が国の完全失業率は昨年の春以降五%近い高水準で推移を続け、雇用対策は改めて我が国の最大の社会問題として大きくクローズアップされています。  こうした事態を受けて、国の雇用対策は、従来の不況業種の失業防止や失業対策を中心にした対症療法的な雇用対策を転換し、雇用創出とスムーズな労働移動政策へ軸足を移す中で、昨年六月、緊急雇用開発プログラムの策定を初め、同年十一月、百万人雇用創出安定計画の策定、本年七月、七十万人雇用就業機会の増大策などの緊急雇用対策が打ち出されてきました。  しかし、国の雇用対策には一定程度の効果はあらわれていますが、企業が横並びに人員削減を競い合う状況の中では、こうした施策も上昇を続ける失業者の受け皿としての役割を十分に果たしていないのが実情のようです。  しかも、企業のリストラに一段と拍車をかける産業再生法案がさきの国会で成立いたしました。この法案は、バブル期などで膨らんだ過剰設備や過剰債務などを削減して、企業の再生を高めるために、国から金融、税制面での優遇措置を受けられることが特徴とされており、いわば企業のリストラに国が安易にお墨つきを与える法案として問題視されることにもなっています。  際限なく続くリストラによる失業者の増加は多方面にわたって社会不安を誘発することになっています。中でも、昨年一年間の自殺者は、企業のリストラを起因とした中高年の男性を中心に初めて三万人を突破する痛ましい記録を残すことになっています。  また、全国私立学校教職員総合連合会が実施したアンケート調査によると、世帯主の失業によって、学費の滞納が一校当たり平均十四人で、滞納率は一・三四%になっていますが、最も多い県においては三・二三%にもなっています。  こうした深刻な事態の中で、奨学金の申し込みが急増する一方、修学旅行の積立金を取り崩して学費に充てるケースも多くなり、今後滞納や中退者が増加していくことになれば、学校経営に支障が出てくることを懸念する声が高まっています。  九九年版の労働白書によりますと、一家の世帯主でもある中高年のサラリーマンが失業した場合の社会的損失は、消費や税収の落ち込みなどによる経済面に対する実害とあわせて心理面にも大きな影響を与えることが指摘されています。  これを裏づけるものとして、国の外郭団体である家計経済研究所の調査によると、夫のリストラによって妻がいらいらなどのうつ気分、貧血などの循環器の不調を初め、心身に強く影響を受けていることが明らかにされています。  御案内のように、我が国の憲法には、国民に対する勤労、教育、納税の三つの義務がうたわれています。このうち勤労の義務が果たされるような環境が築かれない限りは、残りの二つの義務を十分に果たされないばかりか、社会の活力は衰退し、人間の心は豊かさを喪失していくことは現状の実態からも明らかであります。  来春卒業予定の大学、高校生の就職内定率が過去最低の数字が記録され、西暦二〇〇〇年の節目の年も高失業の時代を迎えようとしている今日、不況や雇用対策に対する世論の見方に変化が生じようとしております。  それは、バブル崩壊後、今日までリストラをしない企業は社会的な責任を果たしていないかのような見方や、企業の再構築ができるまでは失業もいたし方ないとする見方が大勢を占めることになっていました。  ところが、この夏実施されたマスコミの調査によると、不況を克服するため企業のリストラが加速し、失業者が増加するのは納得できないと回答した国民は男女合わせて五一%で、納得できるの三四%を大きく上回る結果になっています。特に女性の納得できないの回答は五五%と高く、その中でも専業主婦の納得できないとする回答は六〇%に達することになっています。  また、この世論調査の結果に追随するかのように、経済団体の夏季セミナーにおいて、日経連の奥田会長は、「仮に雇用が過剰であったとしても、その雇用を新しいビジネスに生かすのが経営者の役割と考える。それほどの起業家精神を持たない経営者はみずから退陣すべきだ。」とあいさつの中で述べています。  さすがに雇用問題がこれほどまで社会問題化すると、企業の社会的責任が問われることを気にしての発言とも受け取ることができますが、経営者の最高幹部がこれまでとは全く違った意思表示を行ったことは、これまでの企業優先の景気対策から雇用対策に趣きを示したものとして注目されるところであります。  このように企業のリストラに対する世論の変化は、我慢の時代に限界を感じ、また我慢を続けても一向に先の見えない現状にいら立ちを募らせての意思表示だとも思われます。  いずれにいたしましても、抜本的な景気回復の大きな決め手になるのは雇用促進であることに対する認識を高め、本市としても雇用対策に対する積極的な施策を展開することが求められているものと思います。  そこで、雇用の道を切り開くために、経済界、労働団体などとも相互に意見や情報を交換する場を設け、さらには他都市の動向にも注目しながら、さまざまな角度から幅広く対応していく必要があると思いますが、当面の雇用対策についてどのように考えておられるのかお尋ねします。  次に、本年七月、国から示された緊急地域雇用特別対策事業については各市町村で予算措置がなされ実施に移されていますが、本市での取り組み状況についてお尋ねします。  続いて、長期的に安定した雇用の受け皿づくりとして企業誘致や新規産業の育成などに対する取り組みが行われていると思いますが、その現状と見通しについて、以上三点につきましては経済振興局長に御答弁をお願いします。        〔竹田克彦経済振興局長 登壇〕 ◎竹田克彦 経済振興局長  雇用対策に関連いたしまして、三点について上村議員にお答えをいたします。  まず第一点の、当面の雇用対策にどのように取り組んでいるのかとのお尋ねでございます。  上村議員が御指摘されましたとおり、経済が低迷する中で雇用情勢は極めて厳しい状況となっております。したがいまして、市といたしましても、失業者のための臨時就職相談や、大学生を対象とした就職ガイダンスの実施回数をふやすなど、その対応に努めております。  また、熊本公共職業安定所がハローワーク熊本情報プラザを市中心部に開設され、就職の相談、紹介にも専門の職員が当たられるとともに、パソコンによる求人情報検索システムも設置される予定であります。  さらに、関係機関、団体などとの連携につきましては、使用者代表と労働者代表に加え、職業安定所や県、市などの行政機関から成る熊本地域雇用安定創出対策連絡協議会が既に職業安定所に設置されております。  その中で、雇用対策としまして、雇用の維持安定対策、離職者などへの対策、新規雇用創出対策、勤労者への情報提供、相談機能の充実強化など、情報交換とともにさまざまな角度から協議を行っているところであります。  二点目の緊急地域雇用特別対策事業の取り組み状況であります。  この事業は国の資金を受けて、市では教育委員会で臨時的任用を直接行いますほか、民間企業等に事業を委託するなど、新たな雇用、就業機会の創出を図るものであります。  本市でも、この事業を活用して、十一月から求人開拓相談員を配置、個々の企業を訪問し、できるだけリストラをしないよう、また求人の開拓についてもお願いしますとともに、雇用に関する国の各種助成措置がございますので、その周知に努めていますほか、介護保険相談チームの設置などを含め、全庁挙げて雇用の創出に取り組んでおります。  また、今回の補正予算の中にも、違法広告物実態調査や教職員情報機器操作研修などの事業をお願いいたしております。  なお、この特別対策事業は平成十二年、十三年度においても引き続き実施されるものであります。  三点目は、安定した雇用の受け皿づくりとしての企業誘致や新規産業の育成などに対する取り組みであります。  雇用の拡大には新しい分野での新産業の育成が極めて大事なことであると認識しております。したがいまして、さきに改定しました熊本市企業立地促進条例の中にも、雇用されます人数に応じて補助金を支給する雇用促進補助金を創設し、企業立地の際に新規雇用の拡大を促進することといたしております。  したがいまして、東京、大阪での展示会を通じての企業誘致活動や、九州内の企業に対してはアンケート調査に基づく企業訪問を実施するなど、企業誘致活動とともに求人の開拓に努めております。  さらに、雇用の受け皿となります新産業育成、操業支援策といたしましては、起業家アドバイザー制度、起業家育成セミナーなどを実施しているところであります。  いずれにいたしましても、雇用問題は現下の重要課題でありますため、当面の対応とあわせ中長期的な対策をさまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。        〔三十八番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  雇用対策は大変いろいろと壁がありまして、なかなか思うような対応が厳しい面がございますけれども、当面の大きな社会問題にもなっております。引き続いて努力をしていただきたいと思います。  現在我が国は、ちょうどあのイソップ物語でおなじみの太陽と北風同様の状態が続いているということが言えると思います。つまり、景気低迷によって冷え切った国民に容赦なくリストラや低所得などの強硬な北風を浴びせるような状態が続く限りにおきましては、いつまでたっても正常な経済情勢を取り戻すことは困難だと思います。
     厳しい情勢の中にも雇用促進などの温かい対応を送り続けるための努力を、今こそ国や地方、さらに経済界、労働界挙げて行うことが強く求められていると思います。  本日は、議員の皆さんには、時期的にも本当にお疲れのところ、つたない質問に最後までおつき合いをいただきましてまことにありがとうございました。そしてまた傍聴者の皆さんにも、大変ありがとうございました。そして、市長を初め関係執行部の皆さん方の誠意に満ちた御答弁をいただきまして本当にありがとうございました。いろいろな面において期待をしておりますので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。  以上をもちまして私の質問を閉じらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)      ───────────────── ○鈴木昌彦 副議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。  次会は明十四日(火曜日)定刻に開きます。      ───────────────── ○鈴木昌彦 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                   午後三時四十七分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成十二年十二月十三日 出席議員 五十二名   一番 江藤正行    二番 鈴木昌彦    三番 原亨      四番 津田征士郎   五番 鷲山法雲    六番 上野美恵子   七番 村上博     八番 小山久子   九番 日和田よしこ  十番 藤岡照代   十一番 坂田誠二   十二番 竹原孝昭  十三番 藤山英美   十四番 田中誠一   十五番 下川寛    十六番 重松孝文  十七番 中松健児   十八番 家入安弘   十九番 佐々木俊和  二十番 鈴木弘 二十一番 牛嶋弘二   十二番 古川泰三  二十三番 税所史熙  二十四番 岡田健士 二十五番 田尻将博  二十六番 田尻清輝  二十七番 北口和皇  二十八番 田辺正信 二十九番 大江政久   三十番 島田俊六  三十一番 荒木哲美  三十二番 主海偉佐雄 三十三番 伊形寛治  三十四番 落水清弘  三十五番 奧田光弘  三十六番 宮原政一 三十七番 益田牧子  三十八番 上村恵一  三十九番 磯道文徳   四十番 西泰史 四十一番 中村徳生  四十三番 嶋田幾雄  四十四番 竹本勇   四十五番 田尻武男 四十六番 白石正   四十七番 矢野昭三  四十八番 島永慶孝  四十九番 村山義雄  五十番 大石文夫  五十一番 紫垣正良  五十二番 西村建治  五十三番 亀井省治 説明のため出席した者 市長      三角保之   助役      御厨一熊   助役      中村順行 収入役     岩本洋一   企画調整局長  齊藤聰    総務局長    松村紀代一 市民生活局長  村上智彦   健康福祉局長  工藤磐    環境保全局長  澤田幸男 経済振興局長  竹田克彦   都市整備局長  田尻紘    建設局長    松下尚行 消防局長    道越賢    交通事業管理者 市原敏郎   水道事業管理者 森高聖之 教育委員会委員長松垣裕    教育長職務代理者徳田勝比古  人事委員会事務局長                                       有馬紀彦 代表監査委員  服部公雄   市長室長    赤星健一   財務部長    谷口博通 職務のため出席した事務局職員 事務局長    友枝佑二   事務局次長   大橋舜一郎  議事課長    松本豊 議事課長補佐  山田利博...